【2025年2月27日】
袁紅冰教授について
袁紅冰(ユアン・ホンビン)教授は、国際的に著名な中国系オーストラリア人の法学者、小説家、そして中国の反体制活動家である。1994年、中国における民主主義支持の姿勢を理由に不当に投獄された際、アムネスティ・インターナショナルおよびヒューマン・ライツ・ウォッチがその釈放を求めて活動した経緯がある。The Age、Sydney Morning Herald、ABC、China Scopeなど多数のメディアにも彼の言葉は引用されている。袁教授はこれまでにも、台湾立法院を標的とした中国の統一戦線の戦略や、海南自由貿易港に関する中国共産党の戦略など、内部情報を明らかにしてきた。1989年6月4日の天安門学生民主化運動では、積極的な支援者でもあった。
袁教授は、中国の名門・北京大学で法学教授を務めていた。北京大学で16年間学び、教鞭も執り、その後は貴州師範大学法学部の創設者として10年間教授を務めた。北京大学在任中には、高級判事や高級検察官の養成も担当した。教員時代に指導した学生は数千人にのぼり、その多くや元同僚は現在、中国共産党体制内の公安機関、検察機関、人民法院、司法制度や国家安全部など重要部門で幹部職に就いている。
【声明】
袁教授の声明では、内部告発者が漏洩した情報、提供者と入手の経緯、そして漏洩情報に対する自身の所見について述べている。さらに、中国共産党による海外メディアへの影響、「法輪功」をカルト視する中国共産党の法的見解と自身の意見、自身が「法輪功」を実践しているか否かなどの質問にも回答している。
全文書き起こしとQ&Aの日本語訳は【こちら】
以下は抜粋:
2022年、中国共産党第20回全国代表大会の開催前に、中国共産党中央政法委員会の拡大会議が開催された。この会議には、政法委員会の書記、副書記、委員、事務総長に加え、公安部、国家安全部、外交部、統一戦線工作部の幹部らも出席し、習近平国家主席も参席した。
内部告発者からの漏洩情報
この会議で、習近平は演説の中で多くの重要な点に言及した。第一に習近平は、「法輪功」への国際的な弾圧は第18回党大会以前はほとんど失敗だったと述べた。
…
さらに習近平は、これまで「法輪功」弾圧が失敗に終わった理由を説明した。一つは、「法輪功」弾圧の全体戦略、抑圧・戦略計画において中国共産党内部の各部門間で有効な連携がなかったことである。
また、国外での「法輪功」弾圧に用いられた方法があまりにも保守的・伝統的で、創意や革新性に欠けていた点も挙げた。習近平は、従来の中国共産党の「浸透」「分断」「瓦解」という手法では「法輪功」を打倒できなかったことが事実によって明らかになったと指摘した。
第三に、国際的な「法輪功」弾圧が失敗した主な理由の一つは、党が多額の資金を投入したにもかかわらず、相当部分が浪費され、さらに一部が着服されていたことを強調した。
習近平は、この資金着服について、中国共産党中央規律検査委員会がすでに一部情報を把握していると明言した。
習近平は今後、海外での「法輪功」弾圧に関わる人員の大規模な人事刷新と体制再編が必要であると命じた。解任すべき者は解任し、「法輪功」国際弾圧に特化した強力な調整・執行機関を再編成するよう指示した。
さらに習近平は、「法輪功」の勢いを国際的な規模で徹底的に抑えていくよう命じた。具体的な計画として、海外での「法輪功」対策活動のために新たな組織体制と調整メカニズムを構築する必要があるとした。これまでは、国内外の「法輪功」弾圧は主に中国共産党中央政法委員会が主導していた。
再編後に、第20回全国代表大会前に行われた体制調整の結果、国内での「法輪功」弾圧は主に公安部が担当し、国外での弾圧は主に国家安全部が担当するようになった。この会議当時、陳一新は中央政法委員会の事務総長だったが、党大会前には王小洪が公安部長、陳一新が国家安全部長になることが内々に決まっていた。第20回党大会後も、海外の「法輪功」弾圧は主に国家安全部(陳一新)が調整役となることがこの会議で確認された。
具体的な行動計画として、習近平は「一点突破、二つの基本方向」と指示した。この「一点突破」は、法輪功創始者とその家族を主な標的とすることだと明かされている。第18回党大会以前、党の国外「法輪功」弾圧が効果を上げなかった主因は、的確なターゲット設定が欠けていたからだと判断し、新しい戦術では創始者への人格攻撃・中傷を様々な手段で展開することを重視した。
「二つの基本方向」とは、世論誘導と法的戦術である。世論誘導では、中国共産党の公式組織による「法輪功」への言及を控え、党への立場が曖昧なメディアや個人メディアに「法輪功」攻撃を担わせることで、より効果的に世論操作を行うとした。
また、世論誘導のもう一つの重点は、「法輪功」が運営するメディアを内部から混乱させることである。過去の演説で習近平は、これまで「法輪功」への浸透による情報収集には実質的な価値がなかったと述べており、今後は「法輪功」系メディアの分断・瓦解・撹乱を重視すべきとしている。これが世論誘導の二側面である。
法的戦術としては、アメリカ、台湾、その他の国々の訴訟制度を活用し、法的手段で「法輪功」への攻撃を展開するというものだ。この情報を入手したのは2024年9月である。
情報源は誰か――この漏洩情報はどこから来たのか
この情報は二つのルートから入手した。一つは、中国共産党体制内にいる「良心派」の人々である。彼らはこの全体主義・権威主義体制に強い政治的不満を持ち、中国の民主化を望んでいるため、私は「共産党体制内の良心派」と呼ぶ。こうした重大な情報は、他の経路での裏付けを取った上で公表する必要があるため、私はさらに中国共産党「紅二代」からも確認を得た。現在かなりの数にのぼる「紅二代」の中には、習近平による党内粛清の対象となった者もあり、また習近平が江沢民時代のような権力分担を認めず独裁体制を敷いていることに強い不満や憎悪を抱く者もいる。こうした人々から情報の裏付けを得た。
情報全体の出所については、冒頭で述べた通り、中国共産党体制内に今も有効なコネクションが存在する。
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