デービッド・マタス
2024年11月26日
中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟
総会での発言
限られた時間の中で、一点だけを強調したいと思います。それは、日本政府と日本の国会が、中国における臓器収奪への日本人の関与を止めるために何らかの行動を取るべきだということです。
臓器収奪の存在には疑いの余地がありません。中国では2000年代初頭から良心の囚人が臓器摘出のために大量に殺害されていると、2006年以降、数多くの研究者が結論を下しています。その臓器は、高額で移植ツーリストや地元の市民に売却されています。主な被害者は、精神修養法・法輪功の実践者であり、2017年以降はウイグル人が多数含まれ、またチベット人や家庭教会も被害に遭っています。
臓器収奪の証拠の問題点は、証拠が少なすぎることではなく、むしろ多すぎることです。数多くの出版物、査読付きの学術論文、そして調査のあらゆる点を裏付ける脚注が何千も存在しています。この結論に疑問を抱く方には、ぜひ自らこの証拠を検証していただきたいと思います。
さらに、日本のこの臓器収奪への関与も深刻です。この問題については、2016年に日本の参議院議員会館での報告の際に詳しく述べましたが、8年が経過した現在でもほとんど進展がありません。
2023年6月、厚生労働省は参議院の委員会に対し、日本国内の医療機関を対象に行った渡航移植の実態調査を報告しました。この調査では、海外で臓器移植を受けた後に国内で診療を受けた患者の数が示され、約3分の1に当たる175人が中国で移植を受けていたことが明らかになりました。また、いくつかの仲介業者が海外での移植を手配していることも報告されています。
ただし、この調査の数字は中国への移植ツーリズムの総数を網羅しているわけではありません。すべての人が回答したわけではなく、また、ほとんどの患者は移植後の免疫抑制剤だけが必要であるため、すべての患者が移植後に医療機関での診療を必要とするわけではないからです。
世界には192の国がありますが、臓器移植に関して国外で起こっている収奪に対応する法律を制定した国は20か国のみです。そのため、日本が何も行動を起こしていないことは特殊ではありません。しかし、近隣諸国や友好国と比べて大きく遅れを取っているため、日本が何もしないことは際立っています。台湾、韓国、アメリカはこの問題に積極的に取り組んでいますが、日本はこれらの国々と対照的な状況にあります。
台湾の取り組み
台湾の衛生署(現在の衛生福利部)は2006年に、以下のような行政命令を発しました。医師が以下の行為を行った場合、医療倫理に違反し、懲戒処分を受けるとされています。
- 患者を仲介業者に紹介または仲介すること
- 臓器売買や臓器仲介を禁止する法律がない国、または臓器の出所情報が透明でない国へ患者を紹介または仲介すること
- 海外の臓器移植機関と連絡を取り、患者を仲介すること
- 患者を海外移植に連れて行き報酬を受け取ること
2012年、台湾の立法院は、海外で臓器移植を受けた患者の移植国・病院情報・執刀医の記録を、主要な医療機関および医師が衛生署に提出する義務を採択しました。この記録は、患者が帰国後、健康保険給付を申請する際に提出する必要があります。
2015年には「人体臓器移植法」を改正し、死刑囚からの臓器の使用、臓器の売買・仲介行為を禁止し、移植ツーリズムを禁止しました。さらに、違法な臓器移植に関与した医師は免許を剥奪される可能性があります。この法律は、海外で臓器移植を受けた患者が、台湾で公費による医療アフターケアを受ける資格を得るためには、移植された臓器の合法的な出所を証明する書類を提出することを義務付けています。
また、この法律では、台湾国内外を問わず、臓器仲介、臓器売買、移植ツーリズムに関与した者に対して1年から5年の刑期を科すと規定されています。外国の法律でこれらの活動が処罰されるか否かに関わらず適用されます。さらに、医師が仲介行為に関与した場合、その医師免許は取り消されます。
海外で臓器移植を行った場合、患者は台湾でのアフターケアを求める際に、移植が行われた国や病院、移植された臓器に関する情報を、アフターケアを受ける病院に報告する必要があります。この報告が行われない場合、病院には罰金が科されます。
台湾のこれらの取り組みは、中国における臓器収奪について最も深い造詣のある台湾が、自国の移植ツーリズム問題に対処した事例として注目に値します。(英語記事)
米国の取り組み
2023年3月、アメリカ合衆国下院は「臓器収奪停止法案」を可決し、上院に提出しました。この法案は、違法な臓器売買に関与した人物に対し、パスポートやビザの発行を拒否する権限を国務長官に与えるものです。また、臓器収奪に関する外国の状況を報告し、その促進者に制裁を科すことを義務付けています。
2024年7月には「法輪功保護法案」が下院で可決され、上院に提出されました。この法律は、法輪功学習者や他の良心の囚人を標的とした臓器摘出を含む、臓器収奪に関与した者、またはそれを助長した者に対して制裁を課すことを求めています。また、国務長官に対し、中国の臓器移植政策とその実践に関する報告を義務付けています。
アイダホ州では、2024年7月に施行された法律により、健康保険会社が中国または臓器収奪が行われていると知られる他の国での臓器移植やその後のケアに対して保険の適用を禁止しました。この法律はまた、アイダホ州内で行われた臓器移植において、その臓器が中国や他の禁止された国から提供された場合、健康保険会社がその費用を補償することを禁じています。さらに、州内の医療機関および研究施設が、中国のような敵対国から提供される遺伝子配列解析機器やソフトウェアを使用することも禁止しています。テキサス州およびユタ州にも同様の立法があります。(英語記事)
米国では、特定の州で法律が制定されている一方で、他の州では未対応であるという状況が見られます。連邦レベルでは法案が提案されているものの、まだ制定には至っていません。一方、日本では、地方レベルでも国家レベルでもこの問題に対する具体的な対応がなく、提案された法案も存在しない状況です。
韓国の取り組み
韓国では、2020年に制定された法律により、海外で臓器移植を受けた人は、帰国後30日以内に保健福祉部が定める規定に従い、移植記録を提出することが義務付けられています。(英語記事)この要件自体は証拠収集を目的としたものに過ぎないと私は見ていますが、それすら日本では実施されていません。先に触れた日本政府の調査も詳細に欠けており、完全かつ正確な実態を把握することは難しい状況です。
日本の状況
2023年11月、日本ではベラルーシへの移植ツーリズムを患者に手配した仲介業者が有罪判決を受けました。この判決は現在控訴中であり、適用された法律が海外の移植ツーリズムに特化したものではなく、被告側はこの法律が日本国内の移植にのみ適用されると主張しています。
控訴の結果がどうであれ、日本は中国やその他の臓器収奪を行っている国への移植ツーリズムという特定の問題に対処するための具体的な法律を必要としています。現在の日本の仲介行為に関する法律では、この問題を直接的に解決することはできません。
中国の人権侵害に対処することは、中国の政治的および経済的な影響力に直面することを意味します。また、中国における臓器収奪を止めることができるのは中国国内の人々だけです。
しかし、日本の移植ツーリズムに関する法律は、「中国」に直接言及する必要はありません。法律は包括的であればよいのです。日本は中国での臓器収奪を終わらせることはできませんが、中国での臓器収奪への日本の関与を停止させることは可能です。
結論
この問題に関心を持ち、取り組もうとする皆さまの姿勢に感謝します。この努力が、移植ツーリズムに関する立法を日本で推進する方向に向けられることを期待します。台湾、アメリカ、韓国の事例を具体的に挙げましたが、他にもカナダを含む17の法整備を行った国があります。重要なのは、特定の例に倣うことではなく、何かを行うことであり、何も行わないことではありません。
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デービッド・マタス
国際人権弁護士(カナダ・マニトバ州ウィニペグ在住)
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