臓器入手により処刑:死亡したドナーからの臓器摘出という基本ルールに違反する中国
(原題:Execution by organ procurement: Breaching the dead donor rule in China)
マシュー・ロバートソン&ジェイコブ・ラヴィー共著
(Matthew P. Robertson and Dr Jacob Lavee)
調査報告原文
概要
デッド・ドナー・ルール(DDR)は、移植倫理の基本である。DDRとは、ドナーの死亡が確認され、正式に死亡宣告されるまで臓器摘出を行なってはならない、そして同じ見解から、臓器摘出がドナーを死に至らしめることは許されないというものである。
また、別の医療分野では、死刑執行に医師が関わることに、激しい論争を呼んできた。一見、共通性の見られないこれらの2点だが、中国で移植外科医が臓器摘出を通じて囚人の処刑に深く関与しているという特有の状況下で、この2点が重なり合う。
同調査報告は、米共産主義犠牲者記念財団(VOC)の研究員で豪国立大学の政治科学の博士課程のマシュー・ロバートソン氏と、イスラエルのシバ医療センター心臓移植科の科長ジェイコブ・ラヴィー医師の共著である。テキストを対象とした情報分析(CTA:computational text analysis)を用いて、移植手術に関する中国語の論文12万4770件から抽出された論文2838件を対象に、犯罪の法的な証拠を見つけるための鑑識調査を実施。臓器摘出と脳死宣言のタイミングの問題を裏付ける証拠を検索していった。
そして、脳死判定が適切に宣告されていない事実が71の論文から明確となった。移植臓器を入手するために心臓を摘出したことがドナーの死亡の起因であることに疑いはない。臓器を提供するドナーは囚人以外ではありえないため、この調査結果は、中華人民共和国の医師が臓器摘出による死刑執行に参与していることを強く示唆している。
メディア報道一覧
日本語:
https://www.epochtimes.jp/2022/04/104124.html
中国の医師、脳死判定を行わずに臓器摘出=米国移植学会誌
英語:
医師が中国の囚人を臓器のために処刑=豪国立大学の研究
調査報告:中国の外科医は心臓を摘出することで、死刑を執行
https://www.thesun.co.uk/news/18187353/chinese-surgeons-cut-out- prisoners-hearts-while-alive/
「おぞましい臓器収奪で “生存中の” 囚人の心臓を切り出す中国の外科医:研究が断言」
「中国の医師は心臓摘出により死刑囚を殺害:研究発表」
「中国の外科医は “まだ生存している” 囚人の心臓を摘出 ー 研究が断言」
「中国の外科医は、また生きている死刑囚から心臓と肺を摘出 ー 研究が断言」
「研究が中国の臓器収奪産業を暴露。移植に生きている囚人が用いられていると断言」
「中国では生きている人間から臓器を収奪。医師が処刑を扶助。イスラエルの研究者が断言」
調査報告発表に関するライブ放送の録画 (1時間4分)
Execution by Organ Harvesting: A discussion on China’s crimes against humanity
「臓器収奪により処刑:中国の人道犯罪に関する討議」