ETACについて

「中国での臓器移植濫用停止 ETAC国際ネットワーク」は、中国での臓器移植濫用を停止させようと献身する法律家、研究者、倫理学者、医療専門家、調査者、人権擁護者が手を携えるプラットホームです。

ETACは独立した機関です。特定の政党や宗教・スピリチャル団体、政府、国内・国際機関とは提携していません。ETACのメンバーの背景、信念、宗教、民族は様々です。メンバーは皆、人権を擁護し、おぞましい臓器収奪を終わらせることに取り組んでいます。

「中国での臓器移植濫用停止 ETAC国際ネットワーク」は、人権とその価値観の教育を促進することを主な目的として設立されました。中国で良心の囚人からの強制臓器収奪に関わる臓器売買に関連する人権侵害を停止し、臓器収奪の犠牲者のために公正な裁きを求めることを目標に掲げます。

ETACは人権の促進・擁護をはかります。国会での状況説明、円卓会議、質疑応答のフォーラム、公演、オンラインセミナー、上映会などを活動とし、ETACグローバル擁護ネットワークは、各地域および世界の支援者の貢献をつなげていきます。

ETACは以下を目的に活動しています。

  • 中国での強制臓器収奪(臓器売買の一形態)に関する調査を請け負い、公開し、流布する。
  • 講演、討論会、上映会、質疑応答のフォーラム、論文・記事の発行、映画制作、マルチメディアによるプレゼンテーション、印刷資料、その他のいかなる法的手段などの活動を通して、強制臓器収奪停止の重要性を一般に啓蒙する。
  • 医療・法務・学術学会、その他適切な機関/利害関係者に、中国での強制臓器収奪に関する証拠を認識してもらい、中国での移植制度に高度な透明性と監視を求めるよう、はたらきかける。
  • 中国での良心の囚人の拘束・拷問・強制臓器収奪を停止することの重要性に関する一般認識を高める。
  • 認識なく臓器売買犯罪に加担することから市民を守るために、政府/司法が世界的に法規を採用するように、人の組織細胞と臓器の売買に関する法律と政策に関する公の場での討論を国内・国際的に促進する。
  • 国際社会が、中国での良心の囚人に関わる臓器売買問題に取り組むよう、中国での臓器売買を含む信頼できる透明性のある独立調査を擁護し、政府の政策と立法までの過程を監視する。
  • 「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(International Covenant on Civil and Political Rights)および「拷問禁止条約」(Convention against Torture)の下での義務に準じるよう、政府の政策を監視する。
  • 啓蒙活動、刊行、その他の法的手段を通して、上記の規約と条約の下での義務に反する政府の行為が国際社会で認識されるようとりはからう。
  • 移植ツーリズム(特に売買された臓器源のために中国に渡航すること)を停止するための法律・政策の改定を促進する。
  • ETACの目標が実践・遂行されるように政府、企業、地域社会の支援が受けられるように、資金集め、ロビー活動を行う。
  • 強制臓器収奪の犠牲者のために公正な裁きを求める。

中国での臓器移植濫用停止ETAC国際ネットワークは、非営利団体(Ltd)としてオーストラリアで登録されています。

ETACの沿革

 

「中国での臓器移植濫用停止 ETAC国際ネットワーク」は、中国での良心の囚人からの強制臓器収奪の問題に関する包括的な情報を提供する「中国での臓器収奪停止EOP」のウェブサイトとして発足しました。ウェブサイトには独立した報告書、講義、証言、政府の行動、最新情報、メディア報道、ビデオが掲載されています。

臓器のための良心の囚人の殺害に対する最初の意義ある調査は、カナダの元国務大臣デービッド・キルガーと国際人権弁護士デービッド・マタスによる『戦慄の臓器狩り:中国における法輪功学習者を対象とした「臓器狩り」調査報告書』(2006年7月発表)でした。同報告書は2007年1月31日に改訂版、2009年に本にまとめられ、日本では『中国臓器狩り』(アスペクト社2013年12月)として発行されています。同じ頃、調査ジャーナリスト(元ブルックリン・インスティチュートのアナリスト)のイーサン・ガットマンが8年間を費やし調査し、2014年に一冊の本として『The Slaughter:中国における大量殺人と臓器収奪 ―思想犯・政治犯の隠ぺいされた対処法―』を発行しました。反体制派、政治犯など数百人に上る面接調査に基づいたもので、この問題をさらに深く洞察しています。(邦題未定 中国語版は『屠殺』)

 

写真撮影: Si Gross

 

世界の国会で演説し、政府高官に状況説明をし、ジャーナリストや研究者と対話する10年を経て、キルガー、ガットマン、マタスは協力し、中国での移植濫用に関して、これまでで最も包括的な調査報告『中国臓器狩り/The Slaughter:最新報告書』を2016年に発表しました。680ページの広範囲にわたる中国の臓器移植産業に関する手引書であり、現在進行中の濫用の規模と範囲を示す幅広い証拠を綿密に編纂・分析しています。

2016年10月、3人の著者はスウェーデンのストックホルムでの『ラウンドテーブル』の撮影に招かれました。映画監督/プロデューサー、ノーマン・ビョルヴァンドの企画で、『2016年最新報告書』の著作を広く伝えています。

同じ頃、オーストラリアのシドニーで強制臓器収奪問題への関心が高まっていました。『知られざる事実』を見た後、弁護士、研究者、倫理学者、調査者、医師・看護師、人権擁護者が、定期的に集い、この問題を一般市民と政策立案者が認識するようなアウトリーチの活動、法規について話し合いました。このグループの議長はスージー・ヒューでした。ヒューは、この残虐行為を暴露する人権ドキュメンタリーの上映会のコーディネーターとして、オーストラリアで長期にわたってこの問題を提起してきました。

ストックホルムでの『ラウンドテーブル』撮影期間、キルガー、マタス、ガットマン、ビョルヴァンド、ヒューは、中国での強制臓器収奪を停止することに献身する国際的なNGOを共同創設することで合意しました。世界の専門家、影響力のある個人、ボランティアを一同に集めた国際的なネットワークを構築し、この問題に関する研究・分析・擁護をさらに推し進めることが設立目的でした。

ETACは、2017年、オーストラリアで独立した非営利機関として登録されました。中国での臓器移植濫用停止ETAC国際ネットワークは、この問題に専心する主要機関として、中国での移植濫用がより厳しく監視され認識されるために、世界の様々なイニシアチブの基盤を提供しています。

関連団体にETAC国際顧問委員会(委員長:ウェンディー・ロジャーズ教授)、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、米国、英国の国別委員会があり、日本、韓国、ベネルクス、フランスでも担当者が指名されています。