プレスリリース 2019年6月17日

国際民衆法廷が中国の隠れた移植犯罪を譴責

ハイライト

  • 中国民衆法廷の裁定発表
  • 国際民衆法廷、前世紀の大量殺害の犯罪にすら匹敵しない邪悪を暴露
  • 以下を含む「人道に対する犯罪」が、合理的な疑いの余地なく証明された
    • 殺害
    • 撲滅
    • 基本的な国際方の違反
  • 無実の人々が殺害(主に法輪功学習者とウイグル人イスラム教徒)
  • 騙された一般の人々
  • 殺人の関わる中国の移植産業を停止するために緊急な行動を求める。
  • 「各国政府と国際機関が中国に対して義務を果たす」ことを要求
  • 医師、医療機関、航空会社、旅行会社、金融機関、法律事務所、製薬会社、保険会社、教育機関、個人のツーリストなどは、ここで露呈された犯罪に規模に関して、犯罪国家と関わっていることを認識すべき。

 [2019617日 ロンドン]

中国での強制臓器収奪(脚注2)に対する世界からの問責を受け、ジェフリー・ナイス卿が議長を務めた中国・民衆法廷(脚注1)が最終裁定を本日発表。

「中国・民衆法廷」は、独立した国際民衆法廷で、判事団は米国、英国、マレーシア、イランにわたり、国際人権法、移植医療、国際関係、中国史、ビジネスの分野での専門家から構成される。過去12ヶ月に及び、どこにも所属しない団体として、強制臓器収奪に従事した可能性のある中国の国家あるいは国家支援機関あるいは個人が、国際犯罪を犯したかを決定するために取り組んできた。入手可能な証拠全てに目を通し、50名以上の証言者、専門家、調査者、分析者が証言をした公聴会を、2018年12月と2019年4月に行った。

本法廷の裁定と報告は、「良心の囚人」から強制的に臓器が収奪されてきたかという20年に及ぶ議論に、揺るぎない光を当てるものである。

     中国民衆法廷の最終裁定の要旨 

本法廷の議長、ジェフリー・ナイス卿は「強制臓器収奪は、死者数を比較しても、前世紀の大量殺害の犯罪にすら匹敵しない邪悪なものである」と裁定の一部とし発表した。

 

平和の時代の大量殺人

150万人以上の人々が中国全域で収監されている。その多くは、強制的臓器を摘出するために殺害されている。中国の移植産業では、オンデマンドで臓器が配送される。この産業により中国経済は、年間10億ドル上のせされていると推定されている。(脚注3)

2001年に良心の囚人からの強制臓器摘出に関する最初の報告が明るみに出た。しかし、最近の証言から、この行為はそれより前に行われていたことが示唆される。2000年以降、中国での臓器移植件数が激増した。移植臓器入手までの待ち時間は異常に短い。中国のウェブサイトでは、心臓、肺、肝臓を事前予約で販売すると宣伝していた。犠牲者がオンデマンドで(需要に応じて)殺害されることを示す。中国では臓器移植手術が多大な件数で行われているという報告がある。この臓器移植活動の性質と規模から、これらの手術の臓器供給源が、中国が主張するような合法的ドナーか死刑囚のものだけではありえないとする世界的な譴責に至った。

カナダの元国務大臣、デービッド・キルガー氏は、2019年4月の民衆法廷の公聴会で次のように証言している。「このおぞましいヒトの臓器売買の証拠は山ほどあります…中国全域で、実際には増加しています」

血にまみれた臓器狩り

中国が絶えず疑惑を退けているにも拘らず、独立した本法廷は、事実証言者、専門家、調査者から、良心の囚人である法輪功学習者が移植のための臓器摘出の目的で殺害され続けている事情を聴取した。臓器摘出の手術は、犠牲者の存命中に行われ、摘出過程で無実の人間が殺害される。

証言者の一人であるエンヴァー・トフティ医師は、移植産業成長の初期段階で、臓器摘出を行うように命じられた中国での体験を語った。「メスで切り込みを入れようとした時、血が出たことを覚えています。心臓がまだ鼓動していたことを示します…彼は私の切り込みに抵抗しようとしましたが、その力はありませんでした。

公正な裁判なく数年にわたり収監され、過酷な生活環境に置かれ、拷問を受け、死に怯えるだけでなく、生存者は、血液検査、レントゲン撮影、超音波検査などの身体検査を受けた証拠を提出した。これらの検査は、犠牲者の臓器が健康で移植に適していることを確認するためという説明以外はつけられないと専門家は報告した。一例を挙げると、健康な肝臓は16万ドルで売られる。(脚注4)この臓器売買には、生存者を残さないという冷酷な性格を備える。


開発国での「あえて見ぬふり」

多大な量の証拠にも拘わらず、国際社会は今日まで、全般的に、中国での強制的な臓器摘出を目視してきた。世界の多くの医療機関、大学は、移植医療、研究、養成において、積極的に中国と協力していると考えられている。


今すぐ行動を!

中国での臓器移植濫用停止(ETAC)国際ネットワークは、このおぞましく非合法である無実の犠牲者からの強制臓器摘出と、臓器摘出があおる非道な臓器売買を停止するために役割を果たすよう、国際社会に向けて行動を求めている。

 

ETACの常務取締役・共同創設者のスージー・ヒューズは、次のようにコメントしている。

「中国で臓器狩りが行われているかどうかはもはや問題ではありません。この対話は過去のものです。これらの人々の命を救うために緊急な対応が求められています。」

 

「このためには下記の行動が必要です:

  • 中国に「人道に対する犯罪」の説明を求める
  • 中国との共同につながるすべての移植手術を即座に停止する。

(大学、病院、移植関連機関すべての指針とする)

  • 中国への移植ツーリズムへの自国民の参加を防ぐ

(移植ツーリズムを明確に禁止する法律を導入する)

「自国の多くの病院や大学が、この忌まわしい犯罪に、おそらく意識せずに協力していることを考えるだけで恐ろしくなります」

 

編集メモ:

  • 中国・民衆法廷とは?

「中国・民衆法廷」は合計5日にわたる2回の公聴会での50名の証言者、およびかなりの量の文書・映像による証拠を一年間にわたり検討し結論を下した。本法廷は、強制臓器収奪に従事した可能性のある中国の国家あるいは国家支援機関あるいは個人が、(あるとしたら)どの国際犯罪にあたるのかを決定するために設立された。本法廷ではジェフリー・ナイス卿が議長となり、国際法、医療、ビジネス、国際関係、中国史の分野にわたる判事団を支えた。判事団の詳細

本法廷の法律顧問を務めたハミッド・サビ氏は、ロンドンを拠点とする弁護士で、人権、仲裁、訴訟を国際的に扱う。1980年代のイラン・イスラム共和国による政治犯の大虐殺を調査する独立民衆裁判で、顧問と報告担当官を務めた。

 

2018年12月と2019年4月の公聴会の編集映像は下記へ。事実証言と専門家の分析の主要部分を収める。

12https://youtu.be/asEqgSiMJag 

4https://youtu.be/ROhBz50H9M

注意:公聴会の高品質映像あり (お申し付けください)

 

  • 「中国での臓器移植濫用停止ETAC国際ネットワーク」について

ETACは、中国での臓器移植濫用を停止させようと献身する法律家、研究者、倫理学者、医療関係者、調査者、人権擁護者が手を携えるプラットホーム。ETACは2017年、独立した非営利機関として確立し、この問題で主要な国際機関となる。中国の移植医療の国際犯罪の可能性を示す屈指の機関からの増加する多くの報告を受けてETACは形成された。

中国民衆法廷の発端はETACだが、本法廷からは離れた立場を維持。ETACおよびスポークスパーソンに関しては、こちらへ

  • 最終裁定(2019617日)

ジェフリー・ナイス卿と判事団が2019年6月17日午前にロンドンのコノート・ルームで最終裁定を発表。裁定の要旨

  • 強制臓器収奪

臓器摘出のために人々が殺害される臓器売買の一つの形態。中国で移植を受けるレシピエントには、中国国籍者に加え、臓器を受けるために中国へ渡航する移植ツーリストが相当数、含まれる。移植ツーリストはかなりの金額(例:肝臓は16万ドル=約1600万円の可能性)を支払うが、待ち時間が多大に短縮される。米国、欧州、アジアのレシピエントは、移植臓器源が、強制労働所に拘束され、臓器が適合したら注文に応じて摘出される無実の「ドナー」であることうぃ一般に認識していたいと考えられる。

  • 良心の囚人の迫害

「良心の囚人」という言葉は、該当する当局が寛容しない社会的、政治的、宗教的な見解を持つために、収監される無実の人々を意味する。この場合は(宗教の自由を主張する)中華人民共和国にあたる。中国では拘束されている良心の囚人は、常時150万人と推定されている。拘束者には中国家庭教会のキリスト教徒、チベット人か含まれるが、現在に至るまで、主に法輪功学習者とウイグル人が最も影響を受けている。

法輪功は中国の伝統的な平穏な「佛家功」の精神修養。1999年までの期間、中国の高官は中国の法輪功人口を約7000万と推定。法輪功の高まる人気を警戒した中国国家の高官らが、1999年に法輪功を撲滅するための全国規模の弾圧を開始する。この目的で法輪功学習者を完全に根絶するために中国国家により、司法管轄外の治安局「610弁公室」が設置される。610弁公室に関する情報はこちらへ。中国の巨大な拘束施設網でおそらく100万人以上の法輪功学習者が常時拘束されてきたと学者らは推定する。2006年に良心の囚人からの強制臓器摘出に関する系統的な報告書(複数)が発表され、中国の臓器移植セクターの全国規模で激増を支えるおぞましい臓器源を指摘している。

現在の新疆での大量な数のウイグル人の拘束は、強制臓器収奪の新たな犠牲者要員を生み出しているように見受けられる。本法廷の証言者は、新疆の拘束施設での過酷な拘束状況を報告した。同時に、血液検査、臓器のスキャン、検査を受けた囚人の失踪というよく見受けられるパターンも明示された。カシュガル空港ではヒトの臓器輸出のための優先通路が設けられており(脚注5)、殺害されたウイグル人の良心の囚人から摘出された臓器数の多さをおぞましく示している。

  • 中国の臓器移植産業

       中国の臓器産業は年間10億ドル市場と推定される。

中国の臓器移植産業は、病院、医療スタッフ、その他のインフラへの大規模な投資を基盤に発展してきた。

2000年、佛家功の法輪功迫害の始まりと時期を同じくして、中国の臓器移植産業の活動が激増した。生死に関わる臓器が、わずか数日で入手できるようになった。緊急の際は4時間以内に肝臓が入手可能という報告も出始めた。国営病院と数百の独立したウェブサイト上で、異様に短い待ち時間での心臓、肝臓、腎臓、角膜の移植手術、臓器の大量販売の広告が出始めた。移植手術の待ち時間は数時間から数日であり、世界のどの国でも、国立の移植制度が成し遂げられない時間枠だった。この時期から、中国の移植用臓器の供給は、合法的な自主的ドナーの手続きを踏むだけでは不可能という疑惑を以て世界的な譴責が始まる。

  • 中国からの公式対応

広域に渡る譴責に応え、中国政府は、臓器源を説明するための一貫性のない変化する話術を世界に向けて発信してきた。2001年、「ヒトの臓器の主要源は中国市民の自主的ドナーである」と中国は公式声明を出した。しかし、わずか4年後に、ほとんどの臓器源は合意した死刑囚からのものであると公式声明を一転させた。中国で最も脆弱な囚人から強制的に臓器が摘出されているという報告が広がり、非合法的で野蛮な国家支援の臓器産業に対する多大な譴責にもかかわらず、公式声明は撤回されなかった。少なくとも年間6万件の臓器移植が2000年から行われてきたと推定される。数千人の中国で最も脆弱で温厚な市民が、殴られ、拷問され、急成長する移植産業の供給源として殺害された。現在、中国は2015年1月1日以来、臓器源は自主的ドナーのみと主張している。しかし、中国政府の幹部は、自主的ドナーではない臓器源を継続して使っていることを認めている。中国の主張を実証するはずの病院のデータ、移植手術の登録者数、公式統計値の公表を中国は拒んできた。中国の莫大な移植業界の臓器源が、合法的な自主的ドナー制度だけに支えられていることに、世界の学術界、医療界でより強く疑問を抱くようになってきている。移植業界の規模は、物理的に過少報告されていることは確実である。移植関連の問題で、中国と協力する医療機関、大学、仲介者は、共犯者となる危険性があるため、自分たちの行いを緊急に見直すことが要される。

  • 国際的な対応

中国での強制臓器収奪に関する最初の報告書(複数)が公開されて以来、すでに数多くの国が確固たる立場を表明している。臓器収奪を譴責する決議案を議会が通過させることから、自国の基準や保護状況より劣る可能性のある司法管轄国へ自国民が渡航移植を求めることを禁じる法律の制定に至るまで、様々である。しかし、米国も英国も、この点に関して法律の制定に着手していない。米国は下院議会が、強制臓器収奪の停止を求める決議案を通過させており(詳細は下記へ)、また、この問題は英国政府により手短な討議として提起されてきた。これとは対照的に、イタリア、スペイン、イスラエル、台湾、ノルウェイは自国民が移植ツーリズムに参加することを禁じる法規を導入している。イスラエルの臓器移植法では、保険会社が国外での移植費用を弁済することを禁じている。カナダは現在、公式な法律批准の段階にある。上記に関する法規は、こちらに掲載されている。

欧州議会2013年に決議案を通過。「系統的で国家が認証のもとで、合意なく良心の囚人から臓器「収奪」が中華人民共和国で行われているという継続的で信頼性のおける報告に深い懸念」を表明している。「良心の囚人には、宗教上の信念から収監されているかなりの数の法輪功学習者、そのほかの宗教の信徒、少数民族のグループが含まれる」

米国下院議会、数多くの州議会で、強制臓器「収奪」と「移植ツーリズム」を停止することを要求する決議案が通過。2016年6月13日、米下院議会は、決議案343を通過。「中華人民共和国における国家が認める強制臓器収奪を譴責」し、「17年にわたる 法輪功、およびそのほかの宗教の信徒、少数民族のグループへの迫害を即刻停止することを要求」している。

同様の決議案を通過させた米国の州議会は、ミズーリ、アリゾナ、ペンシルバニア、イリノイ。    

2015年3月、(英国を含む)欧州14カ国が、ヒトの臓器売買を禁止する欧州評議会条約」を批准。「生体もしくは死体ドナーから、意図的に、ヒトの臓器を摘出することを、自国の法律で犯罪とする法律その他の措置を各参与国は取る」(第4項―ヒトの臓器の違法摘出)。

これは2016年7月の宣言書28号で強化されている。「系統的で国家の認める良心の囚人からの合意のない臓器収奪に関する継続的で信頼のおける報告」を受け「中華人民共和国で今も続く臓器収奪への独立調査を要求」している。

  • 証言者が認定した拘束所/病院の所在地

上記の地図は、中国の病院の地点を示す。拘束所の場所の近くにある。これらの場所は本法廷の証言者が特定したもの。

 

上記の地図は中国の拘束所の地点。拘束所は移植病院の近くに位置する。これより多くの数が存在すると推定される。

本法廷の証言者が認定した病院名と拘束所の名称の詳細リストは、要請に応じて提供。

 

  • 追加情報:

本法廷が検討した報告書や調査を含む資料一覧

 

詳細はこちらへ。

Harriet Shearer/Gordon Cole-Schmidt

The Communication Group plc

020 7630 1411

chinatribunal@thecommunicationgroup.co.uk