『中国 民衆法廷 最終裁定』ETAC制作 映像 (9分)

6月17日ロンドン時間の午前10時ぴったりに判事団が入場。200名ほどの傍聴者は全員起立を促された。裁定の要約(小冊子58ページ:原文はこちらへ)を1時間半にわたりジェフリー卿が読み上げた。証拠を分析した最終報告書は9月末に発表される予定。下記は、ChinaTribunalのウェブサイトで発表された「裁定の要旨」の邦訳。

中国・民衆法廷  Q&Aおよび裁定の要旨(6ページ)はこちらからダウンロード

原文:Short Form Conclusion (2019年6月23日翻訳版)

裁 定 の 要 旨

中国での良心の囚人からの強制臓器収奪に関する民衆法廷

2018年12月、本法廷は下記の中間裁定を発表した。

本法廷の判事団は全員一致をもって、全く疑いの余地なく、中国でかなりの期間、極めて多くの犠牲者に対して、強制臓器収奪が行われてきたことを確信する。

発表以来、本法廷は、中国での強制的に臓器収奪行為が行われてきたことを証明する助けとなる多くの資料に関わり、守秘、沈黙、ごまかしがあまねく存在する中華人民共和国(PRC)の文化に取り組んできた。入手できる証拠から適切な結論を出す上で、本法廷は制止されることも機能不全にされることもなかった。

本法廷が適切な結論を出す上で、中国がひどく人権を侵害しているという評判は、全く考慮されなかった。本法廷は、各段階でPRCからの貢献を要請し、PRCの利権に対して公平な態度を守るプロセスを採用した。

本法廷は多くの形態の証拠を考慮し、証拠だけに基づいて一つひとつの問題を扱った。PRCの評判やその他、偏見を引き起こしかねない要因に影響されることなく、下記の一連の結論に達した。

  • 移植に使える臓器を入手するまでの待ち時間が異常に短い(PRCの医師や病院が約束)
  • 法輪功学習者とウイグル人が拷問を受けている
  • 以下に示す数値で表された証拠(みせかけのPRCによるデータを除く)が集まっている
    • 臓器移植件数
    • PRCが最近設置した自主的ドナー(臓器提供者)制度下での「適格なドナー」だけでは全く供給を満たすことはない
  • 臓器移植手術のために多大なインフラ設備が開発され、医療スタッフが養成された。自主的ドナー制度の計画が始まる前にこれらの開発・養成が始まっている場合もよく見受けられた
  • 強制的に臓器の収奪が行われた直接的及び間接的な証拠があった。

上述の個々の結論を統合し、当然のなりゆきとして下記の最終結論が導き出される。

強制臓器収奪は、中国全域で、何年にもわたり、かなりの規模、行われてきており、法輪功学習者がおそらく主な臓器源である。ウイグル人を対象とした集中迫害と医療検査は、近年より行われており、このグループからの臓器収奪の証拠はいずれ出てくると思われる。本法廷は、中国の移植産業に関連するかなりのインフラが数多く解体された証拠を一切見つけておらず、すぐに入手できる臓器の源に関する納得のいく説明も得られていないため、強制臓器収奪は今日も続けられていると結論する。

本法廷は上述の結論にジェノサイド(大量虐殺)の罪を含むべきかを協議した。

PRCにおける法輪功学習者とウイグル人はそれぞれ、ジェノサイドの対象となる「グループ」としての条件を備える。

法輪功学習者に関しては、ジェノサイド罪とみなされる下記の要素が明確に存在する。

  • グループのメンバーを殺害する
  • グループのメンバーに深刻な肉体・精神的な危害を与える

ジェノサイド罪のもう一つの要素以外では、法的助言に基づき、本法廷が納得するものとして、本件はジェノサイドであることが明確に証明される。

このもう一つの要素に関しては、ジェノサイド罪における特定の「意図」を実証する必要がある。

本法廷は「意図」の実証に関して法的助言を受け、実証の条件を満たす意図が証明されたかを本法廷は確定できない。ゆえに、ジェノサイド罪そのものの実証は確定できない。

特定の意図の実証により、「ジェノサイド罪」のほうが(同じ事実が実証する個々の)「人道に反する罪」よりも真の邪悪さにおいて悪辣だ、とするものではないことを本法廷は指摘したい。

強制臓器収奪は、死者数を比較しても、前世紀の大量殺害の犯罪にすら匹敵しない邪悪なものであることを、本法廷は留意している。一部の者もしくは多くの者のなかに、ジェノサイドが行われたとする正当な信念があり、その確信は高まっている。

上述に沿い、さらに挙げられた証拠と法律を考慮し、調査を起こし手続きを取る権威のある者は、国際法廷もしくは国連でジェノサイドが行われたかを分析する義務がある。これらの者は、ジェノサイド条約の条例に反する行為への責任所在を追及するために即座に行動すべきある。

法輪功およびウイグルに対して「人道に反する罪」が犯されたことは、法輪功とウイグルに対する広域にわたる系統的な攻撃または単なる攻撃において、法的立証に必要な以下の要素のうちの一つ以上の実証を以て、全く疑いの余地なく証明された

  • 殺害[1]
  • 撲滅[2]
  • 基本的な国際法の規則に違反する収監もしくはその他の肉体的な自由の過酷な剥奪[3]
  • 拷問[4]
  • 強姦もしくは強姦に匹敵する他の形態の性的暴行[5]
  • 人種、国籍、民族、文化、宗教を基盤とする迫害[6] ― 国際法で容認し難いと普遍的に認められている
  • 強制失踪[7]

ウイグルに関しては、本法廷は大規模な医療検査の証拠を得た。他の用途もあるが、ウイグル人が「臓器提供バンク」となりうる検査である。世界は既にウイグルの利権と地理的な立地に注視している。地域は広いが、中国全域に散在する法輪功と比較して、容易に支援できる可能性が考えられる。

各国の政府機関および国際機関は「ジェノサイド」に関する可能な告発だけでなく、「人道に反する犯罪」に関しても、取り組む義務がある。本法廷は「人道に反する犯罪」が「ジェノサイド」ほど悪くはないとしていない。各国政府、国際機関が自らの義務を果たさない場合、通常は力のない市民ではあるが、このインターネットの時代であれば、自分たちが認識している以上に力を発揮することになる。この規模の犯罪は、世界中の人々が力を合わせて、政府に圧力をかけることを可能にする。それによって、各国政府や国際機関が取り組まないという選択肢はなくなる。

各国政府およびPRCとかなりの形で関わってきた下記の分野に携わる者は、上に記された犯罪の規模に関して、自分たちが犯罪国家と関わっていることを認識すべきである。

  • 医師、医療機関
  • 産業、ビジネス――特に航空会社、旅行会社、金融機関、法律事務所、製薬会社、保険会社、個々のツーリスト
  • 教育機関
  • 芸術機関

2019年6月17日

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[1] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(a).

[2] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(b) and Article 7(2)(b).

[3] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(e).

[4] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(f) and Article 7(2)(e).

[5] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(g).

[6] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(h) and Article 7(2)(g).

[7] Rome Statute of the International Criminal Court 1999, Article 7(1)(i) and Article 7(2)(j).