BBCWorld Serviceでのラジオ放送(要約)

2018年10月、BBCWorldのImpactで2回、BBCラジオで2回にわたり、中国の臓器移植に関する特集がありました。ラジオ放送は下記のリンクから聞いていただけます。2回に分けての放送で、各26分。テレビ放送より濃い内容でした。 2018年10月15日と10月22日に報道されたBBC ラジオ番組は下記の通りです。 https://www.bbc.co.uk/programmes/w3csxyl3 誰を信じる?(Who To Believe) 中国の臓器移植(China’s Organ Transplants) https://www.bbc.co.uk/programmes/w3csxyl4 移植ツーリズムと透明性(Tourism and Transparency) 中国の臓器移植(China’s Organ Transplants)   マシュー・ヒル記者が臓器移植への中国式アプローチを探索 ―――――――― 下記に日本語で内容を大まかにまとめました。 あくまで参考のためですので、英語放送で確認をとってから引用してください。 ーーーーーーーー 2018年10月15日放送 https://www.bbc.co.uk/programmes/w3csxyl3 誰を信じる?(Who To Believe)   ・エンバー・トフティ(元中国―ウイグル―の外科医):1995年にまだ息のある囚人から臓器を摘出したときの証言。 ・アニー・ヤング:友人医師が1985年に臓器を摘出したと証言 ・匿名の元中国の医師:処刑者の頭は撃ち抜かず右胸を撃ち、死なせないで臓器を摘出する話はプライベートに交わされていた。 [ナレーション:2015年、中国は囚人からの臓器摘出を停止したと発表] ・ジェイコブ・ラヴィー(イスラエルの心臓移植医):2005年に自分の患者が中国で決められた日時に心臓移植をした。当時、保険が移植ツーリズムを支えていた。2008年にイスラエルは移植ツーリズムを禁じる法律を導入。 [ナレーション:公式発表の移植件数と実際の移植件数には10倍の開きがあると調査者は批判] 臓器源は? [ナレーション:1999年 法輪功の迫害が始まる。中国の気功と瞑想から成り、中国で人気を集めた。 国家の管理制度下にはなく、人数が多くなり(1億人)、中国政府が危惧。多くは労働教養所に入れられ、2〜3年もしくは転向するまで投獄される。禁酒・禁煙のため、法輪功をやっている者は、国家にとって容易に臓器が摘出できるターゲットとなった。法輪功だけでなく、ウイグル、一部のキリスト教徒も犠牲になっている] ・イーサン・ガットマン:「国家の敵」を消滅させることが目的。 ・ウェンディー・ロジャーズ(オーストラリア、マクアリー大学教授):自分の調査で「良心の囚人」から臓器を収奪していることが判明。死刑囚とは全く違う。 ・デービッド・マタス:電話のおとり調査で、病院が法輪功臓器の使用を認めている。待ち時間の短さ。 証拠は? ・アニー・ヤング(中国人の元拘束者・法輪功・ロンドン在住):労働教養所の近くの病院で3ヶ月ごとに血液、目、臓器の検査を受けた。海外との接触があったので体には触れないで精神的な拷問を受けた。 ・ハイ・カンリウ(67歳・中国人の元拘束者・法輪功・トロント在住):3ヶ月後、病院に連れられた。瓶2本分の血液がとれらた。 ・マンフレッド・ノーヴァク:(ウィーン大学教授 国際法・人権) 2004〜2010年、拷問に関する国連特別報告官 。2005年、中国視察。拘束中のアニー・ヤングの釈放を中国政府に陳情し、アニーと接触。 [ナレーション:国際社会に知られる拘束者は臓器をとられないが、無名の法輪功は?] 懐疑的な意見: ・ジェラミー・チャップマン:(国際移植学会の元会長)中国の病院を視察。臓器のための殺害という話は信じ固い。事実を証明するためには中国側の透明性が必要。   結論:良心の囚人が犠牲者である明確な証拠はないが、否定する証拠もない しかし… 100万人のウイグル人が拘束。労働教養所に送還されている。12歳から65歳のウイグル人のDNA,血液検査、瞳のスキャンが採集された。臓器ドナーの備蓄か?法輪功に起こったパターンが繰り返されている。…

中国での臓器収奪を調査する独立裁判が設立

中国での良心の囚人(無実の人々)からの強制臓器収奪を審問する独立裁判が、中国での臓器移植濫用停止(ETAC)の委託で設立した。

「独立裁判」は、中国国家または国家認定機関による強制臓器収奪に関する犯罪行為が行われたかを調査する。

ETACの常任取締役スージー・ヒューは次のように述べる。

「独立裁判は、公式の国際機関が進んで調査しないか、できない状況の、深刻な犯罪を裁くためによく行われます。生存者や犠牲者の家族・友人にとっての裁定となります」

同裁判は、勅撰弁護士ジェフリー・ニース卿が司る7名の独立したメンバーから形成され、日程を定めた公聴会をロンドンで開催する。

2018年の12月10日の国際人権デーを最終日とする3日間にわたる公聴会では、30名の証言者と専門家の証拠が提示される。その後も必要に応じて開廷。

ETAC顧問委員会委員長のウェンディー・ロジャーズ教授は下記のように述べている。

「この異例な規模の犯罪疑惑に国際社会が取り組むには、法律に照らした確固たる分析が求められます。裁判を通して、このような分析と、中国での強制臓器収奪の透明性のある永続的な証拠に基づく記録が提示されます。国際機関の立ち入りを余儀なくされる貴重な資料も提示されることでしょう」

China Tribunal(ホームページ 英語です)

 

 

中国「臓器移植の闇」 海外からの移植ツーリズムが激増する中、 死刑囚からの臓器摘出疑惑くすぶる

BBCの報道、米連邦議会・行政府委員会の年次報告、10月に英国議会内で行われた中国臓器移植に関する報告会、2018年の報告書に言及しながら、中国臓器移植の闇を指摘するロンドン在住ジャーナリスト木村正人氏の記事。

「真相は文字通り「闇」の中で、決定打となる直接証拠はない。しかし限りなく「黒」に近い間接証拠は枚挙にいとまがない」

全文はこちらへ

http://blogos.com/article/334115/?p=1

 

木村正人:ロンドン在住。元米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。元慶応大学法科大学院非常勤講師(憲法)。元産経新聞記者。平成24年独立。ニューズウィーク日本版(欧州インサイドReport)などに寄稿。

冷徹な大量虐殺:中国での法輪功(学術誌の掲載論文)

冷徹な大量虐殺:中国での法輪功
(学術誌の掲載論文)
 

『ジェノサイドの研究と阻止:国際ジャーナル(GSP)』に2018年に掲載された論文。GSPはジェノサイド研究学者国際協会(IAGS: The International Association of Genocide Scholars)の公式学術誌。

 

要約

法輪功撲滅運動における冷徹な大量虐殺のパターンを模索する論文。法輪功は1999年以来、中国政府が撲滅の対象にしてきた精神修養方法。記録されてきた大量虐殺の事例と比較すると、法輪功の大虐殺は、事実上、無視されてきた点で異例である。同論文は、ソーシャルワーク、医療、法律を包括する学際的な視点から、この隠蔽されたジェノサイドの多角的な性格を明確にしようと探っている。特に、法輪功撲滅運動は下記の三点から、冷徹な大量虐殺として他とは異なることを示している。

(1) 多角的:法輪功学習者を、肉体のみならず、心理的、社会的、精神的に破滅させる
(2) 不可視という点で狡猾
(3) 撲滅運動の行われている社会で通常化

これらの不可視で物理的でない要素が相互に作用し、法輪功学習者を対象とした勢力のある陰湿で極端な「冷徹な大虐殺」が生み出されている。また、これらの要素が相互に作用しているため、この大虐殺は今日のジェノサイド研究で過少評価されている。

 

全文を読む/ダウンロードする(英文)

 

著者:

カナダ・マニトバ州ウィニペグ、マニトバ大学
マリア・チューン

米ワシントンDC、強制臓器摘出に反対する医師団(DAFOH)
トルステン・トレイ

カナダ・マニトバ州ウィニペグ、マニトバ大学
デービッド・マタス

カナダ・オンタリオ州トロント、ヨーク大学
リチャード・アン

2018年報告書のプレスリリース

新報告書: 中国での移植濫用 ―まやかしの改革
 

ニューヨーク発:中国政府が改革を主張する中、良心の囚人からの大規模な臓器収奪など、過酷な移植濫用は現在も続行中。中国臓器収奪リサーチセンターによる7月2日発表の新たな調査が裏付ける。

 

新報告書は、世界中の移植専門医が2年に1度、一堂に集う国際移植会議(TTS 2018)の場で発表。

 

報告書によると「中国は、他国が数十年かけて構築した自主的臓器提供の枠組みを、わずか数年で可能にしたと断言する。中国政府発表の数字では、臓器の自主的提供が移植臓器源全体に占める割合は2013年の23%から2014年には80%へと飛躍し、2015年には自主的提供が単独の臓器源となったことを示している。わずか1~2年で100%の転換をはかることはありえない」。オンデマンドで行われる移植手術の証拠やデータ改ざんなども鑑み、多くの臓器は、良心の囚人など、自主的な臓器提供者以外から摘出されていると著者らは帰結する。

 

342ページに及ぶ報告書では、数百軒の移植病院、政府・業界の声明、公式政策・法規、様々な地域での実際の自主的臓器提供者数、脳死判定基準の濫用、中国国内の臓器提供・移植制度の広域な運用を分析。「人権弁護士デービッド・マタス氏、元カナダ国務大臣(アジア太平洋担当)であり元国会議員のデービッド・キルガー氏、調査ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による2016年6月に発表された報告書以降の新たな証拠を浮き彫りにする」と同報告書の共著者ヒュイグ・リ博士(マインツ大学医療センター)は語る。

 

新報告書の主要点は下記の通り:

 

自主的臓器提供を上回る臓器移植件数:自主的臓器提供者数は、移植産業の規模と比較して、これまで同様、極めて低い状況にある。2017年末の時点で、公式の臓器提供登録者数は373,536人であった。登録者数に対する提供者数の米国での比率をあてはめると、中国の臓器提供者数は29名未満となる。各地域の臓器提供者数(主に集中治療室での非登録者からの臓器)を合計しても、中国が公表する年間1万5千件の移植手術をとうてい満たさない。さらに、中国の病院では毎年、この公表値を遥かに上回る数万件の移植手術が行われている。

 

今も続く渡航患者へのオンデマンドによる移植手術:国外の者に対して移植は行わないという中国の公式声明が、最近の調査で虚偽と判明した。2017年10月、韓国の主要テレビ局の記者により、現在もアジアと中東の患者が中国最大手の移植センターに群れをなして渡航していることが明らかにされた。待ち時間が数日か数週間で、病院に金銭的な「寄付」をすれば手術の日が早まると患者が言われたことを報道している。

 

改革声明に追いつかない規定の整備:中国の臓器提供制度および規定の枠組みは、いまだに未熟な段階で、オンデマンドで行われる中国の移植件数を支援することは不可能だ。自主的臓器提供制度を監視する機関は抜け殻状態であり、ほとんどの臓器は、国際社会で中国がしばしば提示している中国臓器提供割当制度から来るものではない。

 

別の臓器源は現在も必要:中国での移植件数は自主的提供による臓器源だけでは支えられない。さらに近年、犯罪者の処刑が縮小したと専門家は認識していることも鑑みて、ほとんどの臓器が別の源から来ていることは否めない。多くの証拠から、これらの臓器は法で裁かれることなく殺害されている良心の囚人から摘出されたものであることが示唆される。今も最大の臓器源は法輪功学習者からのものであると思われる。彼らは系統的に投獄され拷問を受け、強制的に血液検査やその他の臓器の機能に関する医療検査を受けている。最近では新疆ウイグル自治区で大規模な拘束と医療検査が行われており、ウイグル人を対象として強制臓器摘出の可能性を高めている。

 

アーサー・L・キャプラン教授(ニューヨーク大学医療科医療倫理部門長)は同報告書の「まえがき」で次のように述べている。「この丹念に裏付けられた傑出した報告書が示すとおり、中国では今なお、人権侵害を許し、自国の民族をぞんざいに扱い、移植臓器獲得のための殺人が許されている。…世界の移植医のコミュニティーと政府が読むべき報告書である」

 

中国によるPRキャンペーン、信憑性の低いデータ、攻略的なビジョン、移植センターの公開、国際フォーラムでのプレゼンテーションを通して、一部の国際的な移植機関は中国の偽りの改革を受け入れてしまっている事実を同報告書は指摘する。「中国政府による改革声明を額面どおり受け入れることの問題性を、我々の調査は裏付ける。この報告書をきっかけに、国際機関による中国の移植産業への関わりを再査定することになるよう望む」と同報告書の著者 兼 リード・リサーチャーのグレース・イン氏は語る。

 

「アジアの別の地域、一帯一路地域、さらに世界へと臓器を受け入れる合意を広げていくことで、中国政府は国際社会をこの犯罪に巻き込む可能性をはらんでいる」と報告書の著者たちは警告している。

 

2018年報告(英語原文):https://www.chinaorganharvest.org/app/uploads/2018/06/COHRC-2018-Report.pdf

 

詳細はDavid Li:david.li@chinaorganharvest.org または713-410-2705まで。

 

中国臓器収奪リサーチセンター(COHRC)は非営利団体として、臓器のために良心の囚人を殺害することを含む、中国での臓器移植濫用に関して、権威ある調査・提示を行っている。中国および中国外の幅広い情報源からの証拠の収集・分析にあたる。報告書の発表、政府機関や非政府機関へのアドバイスに加え、米国内の医療関連の会議で調査結果を発表。主要な調査者らは、リサーチセンター設立以前から、中国の臓器移植制度の研究に10年以上取り組んでおり、CNN、ニューヨーク・タイムズ、PBS、グローブ&メール、ロンドン・タイムズの記事で言及された報告書にも貢献している。

中国への“移植ツーリズム”禁止を ―「良心の囚人」らから臓器を摘出 ―

Medical Journalist NPO日本医学ジャーナリスト協会会報 2018年4月 Vol.33 No.1 (通巻83号) 発行:NPO日本医学ジャーナリスト協会 発行代表人:水巻中正   ●コラム 中国への“移植ツーリズム”禁止を ―「良心の囚人」らから臓器を摘出 ― 日比野守男   「中国における臓器移植を考える会」=SMG(Stop Medical Genocide)ネットワーク=から2017年末、医学ジャーナリスト協会事務局を通じ、発足式の案内が届いた。式は18年1月23日、参議院会館で開かれた。関東地方は前日、4年ぶりの大雪に見舞われ、足元が悪いせいか、参加した協会員は筆者だけだった。    中国では死刑囚に続き「良心の囚人」(言論や思想、宗教、人種などを理由に不当に逮捕された人々)からも本人の意思を無視して移植用の臓器が摘出され、政府高官やその身内、日本人など裕福な外国人患者に優先的に移植されている―との疑惑が以前から指摘されてきた。    わが国では臓器提供に際して、本人の生前の意思表示を原則とするとともに、移植を受ける患者の順番が症状の重さに応じて厳密に決められる公的な登録システムが当たり前になっている。    だが、それと正反対のおぞましい臓器移植が隣国の中国では継続的に行われ、現在も続いているとされる。これに歯止めをかけようというのがSMGネットワークだ。    同会の代表を保守系外交評論家の加瀬英明氏が務めていることから、為にする中国批判との見方もあるが、これは違う。    中国における臓器移植の実態を日本に最初に紹介したのは、元岡山大学教授の粟屋剛氏である。粟屋氏は思想的な右、左とは無関係の生命倫理の研究者である。    最近はあまり会う機会がないが、年齢が近いこともあって以前から親しくし、何度も一献傾けた仲である。同氏は1990年代半ばから「中国における死刑囚からの臓器移植」の現地調査を行い、98年には米国連邦議会下院の公聴会で証言・意見陳述を行うほど、この問題に精通している。    「現地調査の前は、尾ひれ背びれがついたオーバーな噂、と思っていた」が、「実際に行くと噂どころかそれ以上だった」と以前、著者に語ったことがある。    同氏の調査をきっかけに中国の臓器移植問題は徐々に海外でも知られるようになったが、肝心の日本での動きは鈍かった。    昨年から発起人会を何度も開いてようやくこぎつけた「考える会」の発足会には有志の国会議員、地方議員のほか、中国で反体制派とされ迫害されているキリスト教徒の一派、イスラム系のウイグル人など少数民族出身者ら合わせて約90人が参加した。   さらに招待客として、中国の移植問題を10年間、調査してきたカナダのデービッド・キルガー元アジア太平洋担当大臣とデービッド・マタス国際人権弁護士、イスラエルのジェイコブ・ラヴィー心臓移植医の3人も加わり、それぞれの立場から中国での臓器移植の実態について報告した。    海外からのゲスト3人や「考える会」などの話を総合すると、最も懸念を生じさせるのは、中国が臓器提供者(ドナー)をどう確保しているかだ。中国は長い間秘匿していたが、05年には死刑囚からの臓器摘出を認め、15年には一応、死刑囚からの摘出の停止を宣言した。    中国が世界一の“死刑大国”としても、年間の執行数は数千人。公式発表の年間1万件の移植を行うにはドナーが足らない。本当に死刑囚から摘出をやめたなら、さらに足らなくなるはずだ。    マタス氏やキルガー氏の独自調査では実際の移植数は公式見解の数倍から10倍。06年には中国の病院に勤務していた女性の米国での証言から、法輪功の学習者からも臓器を摘出していたことが明らかになっている。    これらを踏まえ両氏は「死刑囚のほか中国政府が危険と見なす法輪功学習者、ウイグル人、チベット人など『良心の囚人』からも臓器を摘出している」と断定している。    中国は米国以上の移植大国なのに国際学術誌に移植関係の論文が載らないのはドナー情報を明らかにできないためと見られる。    中国では臓器移植がすでに営利追及のビジネスになり、海外から富裕な患者が押し寄せている。国別では日本、韓国の順で多いとされる。    一方、日本を含む65カ国が加盟する国際移植学会は08年5月「イスタンブール宣言」を採択。営利目的の“移植ツーリズム”を禁止、移植用臓器は自国で確保するよう求めている。「宣言」には法的拘束力はないが、08年から16年にかけてイスラエル、スペイン、台湾が法改正をし、臓器売買などが絡んだ不透明な渡航移植を禁止し、自国から中国への営利目的の“移植ツーリズム”を禁止した。    世界で初めて中国への渡航移植を禁じる法改正を主導してきたイスラエルのラヴィー氏は「日本も中国への“移植ツーリズム”を法で禁止すべきだ。そうしないと中国の『良心の囚人』が次々と被害者になる」と訴えた。    ところが中国への“移植ツーリズム”禁止について日本政府、国会は消極的だ。幸い「考える会」には多くの地方議員が参加、中国への渡航移植を法的に禁止するよう求めて活動を始めている。…

テレビ朝鮮の調査記者へのインタビュー

テレビ朝鮮の調査記者へのインタビュー   2018年6月3日   今月初め、DAFOHは韓国の新しい放送局「テレビ朝鮮」の制作者2名にインタビューする機会に恵まれた。昨秋、同局は、今なお続く、中国での臓器移植濫用を露呈するドキュメンタリーを放映。架空の親戚のために臓器を購入するふりをして、調査チームが中国本土に乗り込んだ。年間数千件の海外からの渡航移植を監視するある著名な病院で、整備された移植斡旋の有様を実録。ドキュメンタリーのライターShin Duho(左)とディレクターKim Hyeoncheol(右)に体験を尋ねた。    1. DAFOH:このドキュメンタリーを制作することになった発端は?   Kim Hyeoncheol:「ドキュメンタリーの制作者として、番組のトピックを見つける必要があります。時には新しい記事を検索します。オンラインのニュース記事が、国際移植学会で発表された韓国の移植医の論文を促進していました。新聞社は、ウェブサイトに載せるだけの重要な報道として、この論文を促進したのだと読みました。ただ、韓国人の中国への渡航移植者数は過少されていると思いました。2016年はわずか1名ということでした。年間少なくとも1000人というのは公然とした秘密です。この数を確認するには実際に目で確かめるしかありません。そこで、患者の代わりに中国に行きドキュメンタリーを制作することに決めました。中国の病院の訪問日に、韓国人の三家族を見かけました」   調査のきっかけとなったニュース記事。(英訳文から下記に翻訳) 「この調査により、2000年から2016年の韓国人の海外での臓器売買があることが、初めて確認された。   韓国人による海外での臓器売買は2005年の508人から2016年の1人に減少。2000年から2016年にかけての年間平均は130人である。論文の執筆者であるAhn, Hyung, Joon, MD, PhDは、2000年から2016年にかけて、臓器移植患者2,206人(国内の19.5%にあたる)を診た42軒の(韓国の)主要病院を調査した。このうち2,147人が中国から、33人が米国、10人がフィリピン、4人がシンガポール、4人がインドから臓器移植を受けていた。」    2. DAFOH:ドキュメンタリー制作にあたって困難だったことは? 恐れはありましたか?   Kim Hyeoncheol:「限られた時間と予算内で、通訳、連絡、準備をしてくれる調整役を見つけることが最も難しかったです。この問題のために調整する仕事は皆に断られました。危険すぎるから諦めるようにと勧められました。協力的な患者が自分のカルテを渡してくれ、自分が治療をうけた中国の病院に行くように招いてくれていましたが、ほとんど諦めかけました。しかし、出発の1週間前にこの訪問の調整役になろうという人が現れました。突然現れたので、時折大丈夫かなとこの調整役を疑ったりもしました」   Shin Duho:「危険を恐れたことはありません。調査ドキュメンタリーを制作する上で、ドキュメンタリーチームに常に危険は伴います。映像を制作するために十分な協力を情報源から得られず、締切に直面します。ですからメールでこのドキュメンタリー制作に協力してもらえるよう、DAFOHに要請したのです。周到に準備をし、中国の病院と研究センターでインタビューするために多くの創造的なアプローチをとる必要がありました」    3. DAFOH:ドキュメンタリーの反応は? 特に中国から来た人々は?   Shin Duho:「率直に言って、多くの韓国人は、中国での臓器源を個人的に疑問に思っています。韓国人には、臓器は非倫理的に摘出されたものだということは容易に受け入れられます。韓国は中国人を軽視する国の1つなので、臓器源を無視したり、まともな臓器源ではないだろうと思うことは容易です。朝鮮戦争の経験から、多くの韓国人は共産党政権の残酷さを感じており、「国家の敵」と宣言する者から腎臓、心臓、肝臓、膵臓を摘出することは中国共産党国家の典型的な行動だと受け止めています」   「ドキュメンタリー放映後、韓国移植協会のDr Haが、天津市議会の議員にこの問題について訴えました。議員はこの映像は最近のものでなく昔のものであると主張したので、法廷に持ち込まれました。ドキュメンタリーに収録されている中国へ持ち込んだチャート内の血液検査の記録などの証拠を通して、映像は最近収録されたものであると証明する必要がありました。韓国移植協会は2020年に世界大会を開催します。韓国移植協会にとってとても大切なことです。この法廷の件を公にすることが可能であるかは分かりません。最近のドキュメンタリーであることの証拠を求めたDr Haに聞いてください」    4. DAFOH:韓国人医師の反応に驚かれましたか?   Kim Hyeoncheol:「ドキュメンタリーでインタビューした医師からの質問にはすぐに答えられませんでした。あなた自身、移植が必要だったらどうしますか?と聞いてきたのです。ともあれ、正しい情報、臓器源、中国での臓器移植ビジネスを知った上で、視聴者にはより深く考えてもらいたいのです」    5. DAFOH:韓国政府が停止するための行動をほとんどとっていないことに驚かれましたか?   Kim Hyeoncheol:「韓国政府はこの状況についてほんの少ししか知りません。多くの緊急課題を抱えているからです。現政権の最後の時期に取り上げられるのではないでしょうか。複雑な問題で、個人的に繊細な部分も存在します。三年間に3,000人の韓国人が臓器のために中国に行ったという報告書もあります。可能かと思います。例えば、天津病院での韓国の患者の情報を中国で得ました。絶対にインタビューをとろうと思っていたら、さらに3家族もいました。統計のように中国に渡航移植する韓国人が年間1人であるはずがありません。現状を目撃しました。ご自身でも中国に行けば、我々のように真実が分かります」…

人類史上最悪の「悪魔の所業」 中国の臓器狩りの実態を語る

そこが聞きたい! インタビュー 人類史上最悪の「悪魔の所業」 中国の臓器狩りの実態を語る   デービッド・マタス氏 中国の臓器移植問題を調査している国際弁護士(カナダ)     (2018年6月のデービッド・マタス氏の福岡訪問の際のインタビュー記事が、フォーNET 7月号のトップ記事となりました。)   本来、医療技術の発達は、人類の幸福のために研究されているものであるべきで、またそうであるべきだ―しかし、その人類の叡智を悪用し、中国では現在、年間6万から10万件の移植手術のために、「良心の囚人」の臓器が収奪されている、というショッキングな事実を我々はどう受け止めればいいのか。(平成三十年六月七日に福岡市で開かれた『ヒューマン・ハーベスト 中国の違法臓器収奪の実態』 主催・SNGネットワーク 上映会・報告会で来日したマタス氏にインタビューした)   「アニーの告発」   ―今回の来日の目的から聞かせてください。 マタス 「アジア研究」をテーマとした神戸市の国際学会IAFOR(インターナショナル・アカデミック・フォーラム)に参加するために来日しました。その学会では『法輪功への迫害における民族主義的な側面』について発表しました。この機会を利用して、私たちが調査発表している中国の臓器移植についてドキュメンタリーの上映会、報告会にも参加しています。私たちは現在、中国のこの非道な行為を止めたいと思います。そのためには、日本の国民にこの事実を広く知ってもらい、日本が中国に加担しないように働きかけてもらいたいと思います。   ―私は、人権意識が全くない中国で違法で非道な臓器移植が行われているようだという認識は持っていました。しかし、日本ではこのことはほとんど報道されていませんし、国会でも取上げられないので、ほとんどの日本国民は実態を知りません。 マタス 問題はかなりの日本人が臓器移植のために中国に渡航していることです。二〇〇六年に私たちが調査を発表して以来、中国当局は外国からの渡航者の数を発表することを止めました。また、日本では臓器移植のために海外に渡航した患者を国に告知する義務がないために、実際の患者数は把握できていません。しかし、調査の過程で、実際に移植で中国を訪れた他国の患者から「日本人の患者に会った」という証言を幾つも得ています。   ―2006年から、カナダの元国務大臣デービッド・キルガー氏と共に、中国の「良心の囚人」(無実の人々)を対象に臓器収奪が行われている問題についての調査発表を続けていますが、この活動を始めるきっかけは? マタス 元々私は国際弁護士として人権問題に取り組んでいて、当時は難民問題を扱っていました。そのような時に「NGO法輪功迫害調査追跡国際組織」から調査の依頼を受けたのが始まりです。私たちが調査に乗込んだきっかけは、中国の病院で夫が医師として働いていたという「アニー」と名乗った中国人女性が、ワシントンDCで衝撃的な証言を行ったことでした。彼女の夫は二年あまりのあいだに二千件ほどの角膜摘出手術を行い、そのたびに月給の何十倍もの現金が支給されていたといいます。角膜だけではありません。心臓、腎臓、肝臓、肺臓など目ぼしい臓器を抜かれて空洞同然となった法輪功学習者の遺体は、そのままボイラーに放り込まれてつぎつぎ焼却されていったと告発しました。彼女の告発を受けてNGOからアメリカの下院に働き掛けがあり、下院委員会できちんとした裏づけ調査がなければ動けないと言われ、私たちに依頼が来ました。   ―調査の方法は? マタス まずは中国で行われている違法な臓器移植が真実なのか、それとも嘘なのかを決定することでした。まず、それを実証する証拠を集めていきました。中国では臓器移植についての情報は厳重に秘匿されています。中国当局に収容され運よく国外に逃れられた法輪功の人々や中国に移植手術のために渡航した本人や家族、告発者にインタビューしました。この他、中国の統計、各病院のウェブサイトも参考にし、病床数、利用率、職員数、助成金・賞与金などの詳細な事項も調べました。もう一つの調査方法は、電話による抜き打ち取材です。約十ヵ月間にわたり、調査員が患者家族を装い、移植認可を受けた中国国内百六十九の病院に電話を掛け、病院の施設状況や手術内容を直接聞き出す方法です。  こうした調査によって、それぞれの情報の真偽を確認したのですが、虚偽を裏付ける証拠は一つもありませんでした。その結果、中国での違法な臓器移植は真実であると結論付けたのです。   人類史上最悪の虐殺   ―移植件数はどれくらいあるのですか? マタス 私たちが調査を始めた二〇〇六年当時、中国当局は死刑囚の臓器を使った移植件数を年間一万人と発表していました。しかし、その数字と実態が大きく乖離していることが分かっています。一九九九年以前の中国の移植病院は百五十軒、二〇〇六年に中国衛生部は新たに移植病院の認可制度を導入、千軒の病院が申請し、そのうち百六十九軒が移植手術病院として認可を受けました。我々がその病床数、稼働率から割り出した年間の移植手術件数は最低でも六万五千件から十万件になります。移植設備のあるこれらの国家認定レベルの病院は、稼働率が軒並み百%を超え、患者一人あたり一ヵ月を入院期間と想定すると、例えば病床数五百の天津第一中心病院では年間約八千件の手術が行われていることになります。このようにして調査していったところ、中国における臓器移植の実態は、中国政府による公式発表の実に六倍から十倍なのです。   ―移植手術を受けた日本人の数は把握しているのですか? マタス 私たちの調査前までの中国の発表では、移植のための海外からの渡航者は全体の二〇%という数字を出していましたが、今は公表していません。また、私たちが「良心の囚人」と呼んでいる収容されて臓器を抜かれている法輪功学習者などの存在は認めていません。日本からの渡航者を把握するためには、医療関係者から国家への告知の義務化が必要です。   ―中国の法輪功学習者が迫害を受けていることを中国の一般国民は知っていているのでしょうか? マタス まず、なぜ法輪功なのかから説明します。法輪功は心身を向上させる中国の伝統的な修煉方法で、中国政府は一九九〇年末までに七千万人の中国国民が修煉していると発表しました。共産党員を上回る数となったため、当時の江沢民国家主席が、法輪功学習者の拡大に脅威を覚えて、迫害し始めたのです。また、中国国内では政府の「法輪功は邪教である」というデマが流されました。法輪功が臓器移植のために虐殺されていることは秘匿されています。私の報告書もインターネットがブロックされていますから、中国国民は知ることはできません。法輪功学習者は迫害されていることを知っていますが、それでも学習する人は絶えないそうです。   ―国際社会が臓器移植に反対する動きに対する中国の反応は? マタス 私たちの調査が出た時に、中国はほとんどの臓器は提供されたものであると回答しました。しかし、当時の中国には臓器提供、ドナーの制度はありませんでした。その後、中国は死刑囚の臓器を使っていると認めます。中国政府はその後、二〇一五年には死刑囚からの臓器は使わず、総て自主的提供者からのものだと発表しましたが、その数は移植手術数と大きく乖離しています。私たちの報告を中国は、単なる噂に過ぎないと否定しましたが、一つひとつ裏付け調査したもので口伝えのものは総て排除しています。また、証拠の数字は総て、この報告を否定している中国が発表したものです。中国政府の否定は全く辻褄が合わないのです。   ―この事実を突き止めた時は、どんな気持ちでしたか? マタス 背筋が凍る思いがしました。囚われて逃げ出すことができた法輪功の学習者にインタビューすると、収容中に定期的に血液、内臓検査を受けていたと異口同音に答えました。彼らにとって過酷な拷問に比べれば検査は苦ではなかったようです。この事実を知った時には、衝撃というよりも悲しい気持ちでした。ユダヤ人である私は、弁護士としてナチスのホロコーストの戦争犯罪人を追及する活動もやっていました。この体験から、人間の堕落には際限がないということを突きつけられました。本来人命を救うために開発された移植技術という最先端技術が、人命を奪うために使われてしまっています。中国が臓器移植を産業化して金儲けの道具に人命を簡単に奪ってしまう。移植手術を開発した人たちは、まさかこうしたことに使われるとは想像もしなかったでしょう。将来こうしたことに使われないよう歯止めをかけておくべきでした。   ―アインシュタインも自分の理論が大量殺戮兵器になるとは思わなかったでしょう。 マタス アインシュタインはまさか残虐な兵器に利用されるとは露とも思わなかったでしょう。アインシュタインは元々時計の技術士でした。自分が考えた理論が悪用されることが分かっていたら、時計の技術士のままだったでしょう。広島・長崎への原爆投下は確かにショッキングな出来事ですが、明らかに目に見える証拠があります。しかし、手術室という密室で行われる臓器移植は闇に包まれていて、中国政府は否定していますから、それを実証するのはかなり困難でした。人類はこれまで様々な悪行を重ねてきましたが、これほど邪悪な悪行はありません。中国の臓器移植はホロコーストよりも性質が悪い、人類史上最悪の虐殺だと思います。ホロコーストには、ユダヤ人への妬み、憎しみ、嫌悪などの人間的な感情がありました。しかし、中国の臓器移植は単に金儲けのために殺人が行われているのです。人間的な感情が全くない、国家的な犯罪なのです。   犠牲者は法輪功、新疆ウィグルなど無実の人々   ―中国の臓器移植のやり方ですが、ドナーを脳死状態にするのですか? マタス ドナーという言葉は正確ではありません。臓器提供を望んでいるわけでなく、強制的に抜取られているわけですから。臓器を取られる人たちは脳死状態にされるのではなく、麻酔をかけられ生きたまま手術されます。臓器を取られているのは無実の人々です。莫大な数の法輪功学習者や新疆ウィグルの独立運動家など政治犯がその犠牲になっています。   ―国家による殺人ですね。こうした中国の暴虐に対して世界各国の反応は?…

ノルウェーでの臓器売買に関する法律改正

ノルウェーでの臓器売買に関する法律改正   ニコラス・ストロンベック   2017年6月8日、ノルウェー政府は国内の臓器移植法を改正しました。欧州評議会で通過した「人の臓器売買撲滅」(条約216)の批准と実施のため、不法に移植される臓器の商業目的での使用に焦点をあてたものです。同条約に従い、ノルウェーの法規は人の臓器売買を防止し撲滅させるものです。このため、条項違反の場合の懲罰が重くなっています。   背景   ノルウェーは、2015年3月25日に人の臓器売買を禁止する条約に署名した最初の国に数えられます。アルバニア、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルグ、ポーランド、ポルトガル、モルドバ共和国、スペイン、トルコ、イギリスも並んで署名しました。以来、アイルランド、ラトビア、ロシア連邦、スイス、ウクライナも加わりました。現在のところ、アルバニア、ノルウェー、モルドバ共和国が、条約を国内法に批准しています。   この条約の目的は、特定の行為を国内法で犯罪とし、臓器売買を防止し撲滅することにあります。加盟国はこれらの行為を撲滅するために、国内レベル、国際レベルで連携し、効果的に実施されるように、明確なメカニズムを設定する必要があります。   ノルウェーの法律の主な改正内容   2017年6月16日付のノルウェー法nr.54において、下記の国内法が改正されました。 ・刑法(lov 22. mai 1981 nr. 25 om rettergangsmåten i straffesaker) ・移植法(transplantasjonslova, lov 7. mai 2015 nr. 25) ・剖検法(lov 7. mai 2015 nr. 26 om obduksjon m.m.) ・医療とヘルスケアの研究に関する法(lov 20. juni 2008 nr. 44 om medisinsk og helsefaglig forskning)   移植法の最も重要な改正点を以下に翻訳と略語で記します。  …