デービッド・マタス氏

中国での移植手術の濫用と日本との関わり    2016年12月1日

中国での臓器移植と日本との関わり 参議院議員会館での報告のための所見(改訂版) デービッド・マタス   『最新報告書』   デービッド・キルガー氏と私、そして私たちとは別に調査を進めたイーサン・ガットマン氏は、調査の結果、移植患者に臓器を売るために良心の囚人(主に法輪功の煉功をする人々、そしてウイグル人、チベット人、東方閃電家庭教会)が殺害されてきたという結論に達した。これらの調査では、中国が公式に発表した移植件数を額面通りに受け取り、この断言された数値に見合う臓器源を見出すことに焦点を絞った。   しかし、中国政府による臓器移植件数の統計は必ずしも信頼できるとはいえない。中国の移植件数の確定は、これまでなされるべきであったが、今回の調査を通してようやく行われた。   我々三人は、2016年6月、臓器移植件数に焦点をあてて、中国での移植手術の濫用に関するこれまでの調査を更新した。この『最新報告書』は我々の共同ホームページ endorganpillaging.org から発表されている。報告書は680ページ、脚注は2400にのぼる。移植手術が行われている個々の病院のデータに病院ごとにあたっていき、累積し、独自の結論を出したため、これほどの量となった。   中国共産党にとって、統計とは政略の一手段である。政治的目的に見合う統計値は正確なものとなる。   臓器移植の統計値には、共産党制度にとって相容れぬ2つの政治的要素が絡む。1つは、移植技術がどれだけ進んでいるかを示すために、数字を拡張させるという発想だ。もう1つは、臓器源に対する疑惑を起こさせないように数字を抑えようとするものである。   当初は1つ目の発想が優勢で、説明のつかない大量の移植件数が生み出された。その後、このように自慢することは政治的な問題を引き起こすことに中国共産党政権は気がついた。臓器源に対する疑惑が浮上するからだ。当時はドナー制度も国内での臓器分配制度もなく、自分たちの生み出した数字に対する言い訳が存在しなかった。数字が問題であることに気づいた時点で、移植件数は年間1万件という数値から横ばいとなる。   個々の病院では、少なくとも今日まで、国際的に正確な臓器件数が注視されなかったため、臓器源の説明にはあまり気を遣っていない。個々の病院の移植件数を総計したところ、国家制度の発表した数字を大幅に上回る結果が出た。   しかし、この地域レベルの数字は、国家レベルの政治的配慮とは異なる理由で、客引きのためにごまかした数字かもしれない。この可能性に対処するために、一つひとつの病院をあたり、病院が主張する移植件数以外の広域にわたる様々な要素を検討した。   病床数、職員数、利用率にも目を向けた。助成金と賞与金にもあたった。賞与金に関する引用や賞与金の受入れの際に数値が言及される場合がある。助成金では事業計画の数値に言及されることがある。刊行物、ニュースレターや研究書にも目を向けた。抗拒絶反応剤の使用量もチェックした。患者になる可能性がある人々、移植件数の成長率、技術開発、メディア報道も見ていった。   各病院の移植件数を割り出す上で一つの証拠に頼ることはなかった。過去の調査同様、すべてのデータを検討するまではどのような結論も控えた。すべての要素を合わせて検討することで、これらのデータは一様に、中国での臓器移植件数は公式の国家発表の数字より遥かに多いということを示した。   加算・乗算して合計を算出した。肝移植、腎移植を公的に認められた病院という小グループに焦点を絞った。   2006年 6月27日、中国衛生部は「肝臓、腎臓、心臓、肺移植の許容量に関する管理と規則に関する通知」を発行し、臓器移植を行う医療機関に下記の条件を課した。 ・肝臓               移植専用:15病床     ICU用:10病床以上     合計:25病床 ・腎臓               移植専用:20病床     ICU用:10病床以上     合計:30病床 ・肝臓と腎臓     移植専用:35病床     ICU用:20病床以上     合計:55病床   21の肝移植病院、65の腎移植病院、60の肝腎移植を併合する病院があり、合計146の病院が移植手術を認可されている。これらの病院の調査を通して、利用率100%を越え、移植手術のウェイティング・リストがかなり長い病院など、設備不足が蔓延していることが判明した。中国政府による169から300への認定病院数の拡張計画から、現在の制度の許容量は需要に追いついていないことを示している。   146の病院の移植件数を一軒一軒加算していった。移植病院と認定されるための最低の病床数と職員数を乗算したものと照合し、各病院の移植件数の確認をとった。利用率は100%とし、平均入院期間も仮定した。   このように算出することで、中国政府が公式に発表する年間移植件数1万件は否定された。中国での移植件数は年間6万件から10万件と推定し、高い数値の方を強調したい。   年間の移植件数が1万件であっても、臓器のほとんどは良心の囚人(主に法輪功学習者)から来るものだと思われる。年間1万件の数値に対して、中国政府はすべての臓器は自主的な提供であるとしているが、実証可能な数値の裏付けはなく、受け入れがたい主張である。   中国での実際の年間移植件数6万件から10万件は、良心の囚人が臓器源であることを語っている。中国政府でさえも、他の説明を提供していない。  …