臓器収奪に関する英国議会でのラウンドテーブル:イーサン・ガットマン
2度めのラウンドテーブルの会合が2018年4月17日(火)に英国議会の会議室で行われました。中国での臓器収奪の認識を高めるための会合で、英国国会のジム・シャノン議員とフィオナ・ブルース議員が共同で開催しました。
この会合では、中国での臓器収奪に関する証拠が提示され、この行為を防ぐことに貢献するために英国政府が取れる措置について、専門家らが話し合いました。
スピーカー(敬称略):デービッド・キルガー、ベネディクト・ロジャース、イーサン・ガットマン、エンヴァー・トフティ、アンディー・ムーディー、アドナン・シャリフ医師、サイモン・グロス、ゼック・ハル
以下はイーサン・ガットマン氏のスピーチです。
(ルキエ・ターダッシュとベッキー・ジェームズに特別にお礼を申し上げます)
中国政府が臓器移植のための政治犯・宗教犯からの臓器収奪を停止したという疑惑を調査しました。中国政府が収奪停止することは論理的であり、彼らの言葉もその論理に従うものですが、中国の臓器移植件数は安定しています。中国の自主的ドナー数を合わせても、中国での移植件数には及びません。また、中国が新疆のウイグル人一人ひとりから血液とDNAサンプルを採取していることにも言及しました。移植手術に必要な組織結合のために利用できる試料です。
それでは2018年ではどう進展したでしょうか?
1700万人のウイグル人を対象とした血液検査は完了しました。バチカンは中国政権との親善回復へと少しずつ動いています。ソロンド司教は、「教会、国連、地上の人々は 人口13億、3100万人のキリスト教を抱える国家の進化に従うべきです」。中国は「大西洋から太平洋を貫く新世界のシナリオを主唱する」ようだ、と語っています。
つまり、教会の取り壊し、大量虐殺など、中国政府が今、何をしていても問題はない。バチカンは大物と手を携えたい、中国政府は強行の摂理がほしい、というわけです。
この2つの機関が必要とする新たな展開がありました。ウイグル人の大量投獄です。
ここに参席している法輪功学習者には馴染みのあることかと思います。ここがポイントです。中国公安局はウイグル人と法輪功学習者を移植手術の実験台に使ってきました。
生体からの臓器摘出だけでなく、良心の受刑者からの臓器収奪は、1990年代半ばから始まりました。手続きが完備され、法輪功を利用して大量生産されたのです。2001年、中国公安局は「やらせ」の天安門焼身事件を生み出し、法輪功殺害の口実としました。13年後、ウイグル人「テロリスト」による昆明駅での事件が起りました。事実は明確ではありません。欧米メディアはすべて、真偽を問うかのようにテロリストにカギカッコを付けて報道しましたが、最終的にCNNは中国政府の圧力に屈しました。5年ほど前、公安局はDNAサンプルを法輪功学習者の家で採取し始めました。現在はウイグル人全てに及びました。中国政府は中国のビッグブラザー(全体主義国家による監視)サイトを作り、法輪功を捕獲しました。しかし、このデータ分析に用いられた本格的な完全監視は、新疆の砂漠で開花したのです。
2000年から2008年にかけてのいずれの時期においても、労働改造制度内で45万から100万人の法輪功学習者が常に投獄されていたと私は算出しました。現在、米国の「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会」は、50万人から100万人のウイグル人が「再教育」のための収容所、つまり「転向」施設に拘束されていることを認証しています。法輪功学習者の難民には、この意味が十分、理解できるかと思います。
この数字はどのように算出されたのでしょうか? 中国からの情報を合わせて割り出されました。中国当局は、ウイグルの人口を1200万人としています。ウイグル人は1700万人と推定しています。ラジオ・フリー・アジアおよびAP通信によると、現地の公安局は逮捕者数を誇張する傾向にあります。ウイグル北部の人口の10%が拘束されています。ホータン地区の40%と、カシュガル地区の10%です。これで100万人は優に超えます。しかし、不確実性も考慮しましょう。週末のみの拘束かもしれませんし20年の受刑かもしれません。グローブ&メール紙のネイザン・ヴァンダークリップが逮捕されて以来、欧米のジャーナリストは新疆自治区への取材を避けています。インターネットも封鎖されている環境で、学者、政治家、諜報者のコミュニティーでは、私も含めて、この50万人から100万人が最も妥当だとしています。
これらの数の背後には悲劇があります。カシュガル・コナ・シェハー郡ブラクス(Bullaqsu)の町では「ほとんど男性が見受けられません」。発端は、4年前に警官が二人の女性のスカーフを取ったことにあります。約200名のウイグル人が、警官による女性の逮捕を止めました。そのため、公安局は逮捕者数を4倍にし、男性全てを収容所に投げ込んだのです。
拘束中の死亡のケースもご紹介しましょう。87歳の男性が1年間拘束され、特殊なヘルメットから絶え間なく音声による拷問を受けました、睡眠と水も剥奪されました。公安局に釈放され、すぐに亡くなりました。私の著書『臓器収奪ー消える人々』をお読みになった方、明慧ネット(minghui.com)の多くの迫害の記録からも、同じパターンが繰り返されていることをご理解いただけると思います。死の直前に釈放するのです。「猿を怖がらせるため鶏を殺す」手法です。
さらに屈辱があります。モスクは監視され、閉鎖され、破壊されました。公共の場でのイスラム教の祈祷は抑圧されました。代わりに愛国の歌を唄うことを義務付けられています。イマーム(イスラム教の導師)は、「リトル・アップル」の曲の踊りを強いられ、学生はラマダンの期間中に食事を強制され、ウイグル人の受刑者は酒を飲み豚肉を食べさせられています。特に豚の頭、足、内臓です。
イスラム恐怖症による想像の世界が、ウイグルの現状なのです。龍山労働教養院に拘束されている家族に会いに行くために、李洪志先生のポスターを踏みつけなければならない法輪功学習者は、このいわれない屈辱を熟知しています。人間の尊厳に対する冒涜であり、あらゆる拷問のなかで最悪と言えましょう。
英国外務省が耳を傾けているのなら、敢えて申し上げます。臓器収奪、迫害の理由について質問すべき時期にあります。また、同じことが繰り返されているのですから。
米国下院議会と欧州議会は、良心の受刑者からの臓器収奪に関して中国政府を公に譴責しました。歯車を再び作り直す必要はありません。大きな国家や「新しい世界のシナリオ」も要りません。同盟国と共に、公に明確に中国政府を譴責する必要があります。