プレスリリースプレスリリース: 臓器収奪に関する国連書簡、中国側が回答も専門家「不十分」で「誤解を招く」

臓器収奪に関する国連書簡、中国側が回答も 専門家「不十分」で「誤解を招く」

国連特別報告者9名による証拠に基づく懸念に対し、中国共産党は「捏造」「中傷」と言う言葉で却下した。

 

 【2021年9月23日】臓器収奪を懸念して国連が中国に宛てた書簡に対する中国からの回答に対して、中国での臓器移植濫用停止国際ネットワーク(ETAC)、共産主義犠牲者記念財団(VOC)、対華援助協会(China Aid)は、「不十分で誤解を招くもの」であり、多くの「中国における国家主導の臓器売買に関する懸案」を残すと述べる。

 国連特別報告者9名と人権擁護の作業グループが共同で中国に宛てた書簡(1)に対する公式回答で、中国政府は目撃者の証言を「国際世論を自分たちに向けようとする不誠実」な「役者」によるもので「失敗する運命にある」とした。

 国連から中国に宛てた書簡は、ウイグル人証言者の事例を二つ挙げている。過去20年にわたり強制的に臓器検査を受けてきた法輪功(仏家修煉法)学習者からの数多くの事例と類似しており、ウイグル人も中国国家により主要な臓器供給源として狙われていると警鐘を鳴らす。

 同書簡はまた「臓器収奪は、法輪功学習者、ウイグル人、チベット人、イスラム教徒、キリスト教徒など様々な場所で拘束されている多くの民族・宗教・言語上の少数派を対象としている」と指摘する。

 中国からの応答に対するETAC、VOC、CAの当初のコメントの一部は下記の通り。(太字は2021年6月に国連から中国に要請した内容)

 

 国連特別報告者は、「法輪功学習者、ウイグル人、チベット人、イスラム教徒、キリスト教徒などの民族・宗教・言語上の特徴をもとに収監・拘束された者に対して、医療検査を行う法的根拠に関する」情報を求めた。

 中国側の回答では、国務院の命令や公安局のガイドラインを引用して、これらの医療検査は被拘束者の健康のためであり、被拘束者は検査の内容や結果に関して通知を受ける権利があると主張している。

 しかし、特別報告者が引用した事例では、証言者は検査の目的が健康のためでないことを明らかにしている。検査は強制的で、臓器の機能に絞られ、秘密裏で、説明なく、宗教的・民族的なアイデンティティーを理由に監禁された者を対象に行われていた。

 例えば、黒頭巾を被せられ検査のために不明な場所に連れられたというグルバハール・ジェリロヴァ氏は、血液検査、超音波、定期的なレントゲン撮影が行われたと報告している。検査の目的を尋ねたところ、「黙れ、質問するな」と言われた。オムル・ベカリ氏も、手錠をかけられ黒頭巾を被せられたまま、血液検査、腹部・胸部の臓器の超音波検査が行われたという同様の供述をしている。ベカリ氏は検査の目的を告げられたとは報告していない。

 これらの医療検査は、臓器の機能を査定するためのものと一致するが、囚人の健康状態を調べる標準の検診とは一致していない。中華人民共和国の回答には、これらの検査の目的が、臓器摘出の前に必要な臓器機能を査定する以外のものであることを示す新たなデータはない。

  国連特別報告者は「ドナーとレシピエントの匿名性とプライバシーを保護しながらも、臓器提供と移植活動が透明であり精査を受け入れることを保証するための措置に関する情報」を要求した。

 中華人民共和国の回答は、このような措置には一切触れていない。中国での自発的臓器提供に透明性がないことが最近の調査で示されている。精査の結果、中国の国家は公式の移植統計値を改ざんしてきたと見受けられることを結論とした論文が発表されている (Robertson et al. 2019の論文)(2)。

 特別報告者は「ドナー登録、レシピエントの待機リスト、移植件数、ドナーの同意書、コンプライアンス(遵守)の監視など、移植制度の濫用を防ぐためにどのようにデータを収集するか」についての情報を要求した。

 中華人民共和国の回答は、政策全般に言及するのみで、特定の情報には触れていない。これらのプロトコル(行動規範)がどのように守られているかの説明はなく、彼らの主張を検証するための特別報告者によるアクセスも提供していない。前述の通り、最近の調査では、国家の政策改革のシナリオを推進するために、公式の登録データが改ざんされていると見受けられる。

 中国からの回答の英語による全文はこちらから。

 国連から中国への書簡は、2020年3月に「中国での良心の囚人からの臓器収奪を調査する民衆法廷」 [通称:中国(臓器狩り)民衆法廷]で、法輪功学習者やウイグル人に対する「人道に対する罪」を犯した中国が「犯罪国家」であると宣言されて以来、臓器収奪の証拠について中国当局に異議を唱える国際機関による最も注目度の高い声明である。

 世界的にも著名な人権派弁護士ジェフリー・ニース卿が議長を務めた「中国・民衆法廷」の結審は、中国政府が20年以上にわたって隠ぺいしてきた強制臓器摘出の不正取引を促進するために、罪のない自国民を投獄して殺害するという国家主導の精巧なプログラムを暴露した。

 以下、中国政府の回答に対するNGO代表者からのコメントを引用する。

 

 共産主義犠牲者記念財団(VOC)理事長で元国際連合米国政府代表部のブレンバーグ大使

 「中国共産党は、国家主導の強制的な臓器摘出に関する国連特別報告者の質問に対して、あからさまな嘘をついています。恥ずべきことですが、驚くべきことではありません。VOCの専門家が行った調査では、中国共産党が臓器移植に関する公式統計をいかに改ざんしているかが明らかになっています。すべての臓器源は民間の自発的な提供によるという当初の主張が成り立たないと判明すると、中国は主張を改め、死刑囚からの臓器提供であると認めました。国連の特別報告者がこれらの質問を中国に提出したことを称賛し、中国共産党のこの全く不十分な回答に基づいて、加盟国が現状に満足することをやめるよう求めます。特別報告者の活動を無視するのか、それとも良心の囚人から臓器を摘出するという中国のおぞましい行為への説明責任をようやく求めることにするのかは、米国を含む加盟国にかかっています」

 

 対華援助協会の主催者・創設者のボブ・フー(中国名:傅希秋)博士

 「中国は、組織的な臓器強制摘出を示す証拠を、あからさまに無視し続けています。文書の改ざんや信頼できる証人に対する批判は、真実を隠ぺいしようとする政府の必死の戦術です。これ以上、世界が見過ごすことはできません。少数民族や宗教団体の臓器を狙った非人道的な行為であることは、証拠から指摘されます。あらゆるレベルでの多国間協力を通じて移植濫用に立ち向かうことは、私たちの義務です。今日行動を起こさなければ、この恐ろしいシステムがもう1日続くことになります。」

 

 「中国(臓器狩り)民衆法廷」を立ち上げた人権擁護団体ETAC常任理事スージー・ヒュー:

 「2006年、2007年、そして今回の2021年に国連の専門家が要求した、移植件数、適切な臓器を見つけるまでの待機時間、臓器の供給源に関する公式統計に関して、中国の高官は再度回答を避けました。透明性に欠け人命が軽んじられている現状を国際社会はいつまで許容するのでしょうか。罪のない少数民族が解放され、倫理的な移植手術が実践されるようになったことが中国国家によって示されるまで、中国の移植部門を世界的にボイコットすべきであり、今、その時期が到来しました。」

 

 ETAC国際諮問委員会代表ウェンディ・ロジャーズ教授

 「国連側の共同書簡が提起した非常に合理的な質問に対する中国の回答は、通常の巧妙なトリックに過ぎません。不当な拘束、医療検査に関する詳細な信頼性のある証言に対して、中国は証拠を挙げずにただ全面的に否定しています。臓器調達の透明性に関する質問に対して、臓器移植のデータ改ざん(2)が明白となった制度をまだ回答に用いています。少数民族の迫害に関する質問に対し、中国はすべての市民は平等に扱われているという明らかに誤った主張をしていますが、新疆で見られる中国国家の行動とはまったく矛盾しています。中国は、自国の臓器移植制度が倫理的であることを立証できません。代わりに、空いばりし、相手を侮辱し、虚言を吐きます。今こそ、国際社会は、中国のおぞましい強制臓器摘出制度に対して、共に立ち向かうべきです。」

 

脚注:

(1) 国連から中国に宛てた共同書簡

https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=26382

国連が発表したプレスリリース
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=27167&LangID=E

 

(2) 移植ドナー統計値の改ざんを指摘する論文

https://chinatribunal.com/wp-content/uploads/2020/02/Robertson_Hinde_Lavee_AnalysisOfOfficialDeceased-OrganDonationDataCastsDoubtOnTheCredibilityOfChinasOrganTransplantReform.pdf

(タイトルの邦訳:死体臓器提供に関する公式データの解析により、疑問視される中国の臓器移植改革の信頼性)

 

―以上―

 

詳細は下記まで

Email: info@endtransplantabuse.org

 

日本語によるお問い合わせは下記へ

http://jp.endtransplantabuse.org/connect/

 

 

編集者への参考情報:

 中国の臓器移植産業

 中国の臓器移植産業は年間数十億ドルの市場と推定されている。中国の臓器移植産業は、病院、医療スタッフ、その他のインフラへの莫大な投資に伴い大規模に成長してきた。2000年、法輪功(仏家功の修煉法)の迫害の始まりと時期を同じくして、中国の臓器移植産業の手術件数は激増した。国営病院や数百件の独立したウェブサイトが、心臓、肝臓、腎臓、角膜などの移植ができるという宣伝を出し始める。自然死もしくは外傷により死亡する自発的ドナーからの倫理的な臓器源からでは、待機時間わずか数時間から数日で移植手術を受けることは不可能である。臓器提供のために殺害される囚人のバンクがあることが示唆されている。2015年1月以降、中国はすべての臓器は自発的提供であると主張しているが、詳細な分析によりこの主張は退けられている。

 

中国での強制臓器摘出とは何か? 解説ビデオ(7分)日本語吹き替えと字幕付き

https://youtu.be/oo7RYdKC6qI

 

 中国国家による迫害

 中国では常に推定150万人の良心の囚人(無実の人々)が拘束されている。臓器のために殺害されている拘束者は主に法輪功(仏家修煉法)の学習者である。

 数百万人の法輪功学習者が看守所、刑務所、黒監獄の巨大なネットワーク内に拘束されきたと学者は推定している。2006年、無実の人々からの臓器収奪の系統的な報告が発表され、中国での臓器移植の全国的な激増を支える臓器源を悪しくも説明することとなった。

 現在の新疆のウイグル人を対象とした大量収監が、臓器収奪のための新たな犠牲者バンクとされることを裏付ける証拠は積み重なっている。「中国(臓器狩り)民衆法廷」の証言者は、新疆の拘束所での残虐な状況を語ると同時に、血液検査、臓器スキャン、検査を受けた囚人が消えるという、よく見られるパターンについて供述している。

 中国家庭教会、チベット人も臓器のために殺害されていると懸念されている。

 

 「中国での臓器移植濫用停止 ETAC国際ネットワーク」
 International Coalition to End Transplant Abuse in China(ETAC)

 中国での臓器移植濫用を停止させようと献身する人権擁護の非営利団体。臓器収奪を調査した多くの報告書がこれまで発表されており、著名な機関から出されたものもあったが、中国の移植医療が国際的な犯罪行為にあたるかを調査したものはなかったため、「中国(臓器狩り)民衆法廷」(中国での良心の囚人からの臓器収奪を調査する民衆法廷)の開廷に至った。

 「中国(臓器狩り)民衆法廷」はETACが委託したが、(公平な裁定に影響が出ないように)ETACと法廷は厳格に切り離された。ETACと判事団の間のコミュニケーションは、法廷顧問のハミッド・サビ氏が一切請け負った。

https://jp.endtransplantabuse.org/

 

 共産主義犠牲者記念財団(VOC)
 Victims of Communism Memorial Foundation (VOC)

  共産主義犠牲者記念財団(VOC)は、教育、調査、人権擁護にあたる非営利団体。共産主義による世界1億人以上の犠牲者を追悼し、今なお全体主義政権で暮らす人々の自由の追求に専心する。

 当財団は、議会法によって全会一致で認可され、1993年12月17日にウィリアム・J・クリントン大統領が公法103-199に基づき署名。2007年6月12日、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、ワシントンD.C.に「共産主義犠牲者記念碑」を奉納した。

https://victimsofcommunism.org/

 

 

 対華援助協会(CA)
 China Aid Association

 国際的なキリスト教徒の人権を擁護する非営利団体。中国における「宗教の自由」と「法の支配」の推進に専心する。2002年に中国の反体制派ボブ・フーにより設立。良心の囚人の即刻の釈放、人権擁護者や宗教・コミュニティリーダーに「宗教の自由」と「法の支配」に関するトレーニングの提供、迫害されているリーダーとその家族の救出と移住、良心の囚人の家族への経済的支援、チャイナエイドのウェブサイトやソーシャルメディアで迫害・不正に関する独自の内容を紹介することで虐待を暴露することに取り組む。虐待の実態を明らかにすることで、虐待を受けている人々を励まし、指導者が精神的・法的に自らの信仰と自由を守れるよう支え、すべての人に信教の自由がもたらされるよう取り組んでいる。

https://www.chinaaid.org/

 

 中国(臓器狩り)民衆法廷
 (中国での良心の囚人からの臓器収奪を調査する民衆法廷)The China Tribunal

 世界で初めて、中国での良心の囚人からの強制臓器摘出に関する独立した法的分析を行った独立した民衆法廷。旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(the International Criminal Tribunal for the Former Yugoslavia)で元セルビア大統領スロボダン・ミロシェヴィッチの起訴を率いたジェフリー・ナイス卿を議長とした。臓器収奪が実際に起こっているのか、起こっているとしたら、中国の国家もしくは国家が承認する機関や個人による犯罪がどれにあたるものかを裁定することが目的だった。

 12ヶ月にわたり、入手可能なすべての証拠を詳査した結果、同法廷の判事団は全員一致をもって、合理的な疑いを超えて、中国でかなりの期間、極めて多くの犠牲者に対して、良心の囚人から臓器収奪が行われてきたことを確信すると裁定を下した。中華人民共和国は移植のための臓器源に関して表現を変えたが、判事団はこの主張は信用できるものではなく、公式発表の統計値は捏造されたものであると判定した。

 裁定文からの抜粋:

  「強制臓器収奪は、中国全域で、何年にもわたり、かなりの規模、行われてきており、法輪功学習者がおそらく主な臓器源である」

 「ウイグルに関しては、本法廷は大規模な医療検査の証拠を得た。他の用途もあるが、ウイグル人が『臓器提供バンク』となりうる検査である」

  「法輪功およびウイグルに対する「人道に対する犯罪」は、合理的な疑いを超えて立証された」

  「各国政府および中華人民共和国とかなりの形で関わってきた下記の分野に携わる者は、上に記された犯罪の規模に関して、自分たちが犯罪国家と関わっていることを認識すべきである」

 

 中国(臓器狩り)民衆法廷 裁定
 完全版(英語)
https://chinatribunal.com/wp-content/uploads/2020/03/ChinaTribunal_JUDGMENT_1stMarch_2020.pdf

 

 裁定の要旨(邦訳)
https://chinatribunal.com/wp-content/uploads/2020/04/CT-japan.pdf

 

『中国 民衆法廷 最終裁定』 映像 (9分)(日本語字幕付き)

https://youtu.be/YOVqfTD1kj0

 

プレスリリース英語原文

https://endtransplantabuse.org/press-release-china-issues-inadequate-and-misleading-response-to-un-correspondence-on-forced-organ-harvesting/