2006年
2006年8月4日、台湾の行政院衛生署(現在の衛生福利部)が、下記に該当する医師は医療倫理に反するものであり、懲戒処分にすべきであるという行政命令を公布した。
- 患者をブローカーに紹介または照会する
- 法規が臓器売買もしくは臓器の仲介を禁じていない国、もしくは臓器源が透明でない情報に患者を紹介または照会する
- 国外の臓器移植エージェントに連絡をとり患者の仲介となる
- 臓器移植のために患者を国外に連れていき、報酬を受け取る
2012年
台湾立法府は2012年11月22日、国外で臓器移植を受けるいかなる患者も、移植した国と病院(外科医も含む)の情報を、主要医療機関と医師が記録することを行政院衛生署が義務付ける決議を下した。患者が術後の健康保険を申請する際に、この記録をとるものとする。
2015年
人体臓器移植法改正・公布
台湾の立法府である中華民国立法院が2015年6月12日、人体臓器移植法を改正し、処刑された囚人の臓器の利用・売買・仲介行為を禁じた。同法は移植ツーリズムを禁じる。さらに違法臓器移植に関与する医師は資格を剥奪される可能性もある。
国外で臓器移植を受ける患者は、臓器源を示す法的な証明を示さない限り、国の医療ケアを受けることができないことも規定する。こうして同法は、台湾市民が出処の不明な臓器を受けることを禁じている。
- 仲介者、臓器売買、移植ツーリズムに対して、台湾国内・国外に関わらず、また外国の法規で処罰されるかされないかに関わらず、1~5年の禁固刑が課される。医師が仲介した場合は資格を剥奪される。
- 臓器移植が国外で行われた場合、台湾国内での術後のケアを求める際、移植が行われた国と病院、移植された臓器について、患者は台湾の病院に報告書を提出する義務がある。報告を怠った場合は病院に罰金が課せられる。
民主進歩党の立法委員、尤美女氏は、多くの台湾人が中国で違法臓器移植を受けている事実を指摘。さらに、中国政権は臓器売買に積極的に関わっており、生きている法輪功修煉者からの臓器収奪に大きく依存していると語る。「この改正により、臓器の密輸・販売を効果的に抑止できることを望みます…このため、国外で臓器移植を受けた者が、移植手術後の診療を受けるために、どこで手術を受け、外科医は誰であったかという情報を、国内の病院に提供することを義務付けるために法を改正したのです…そして、国内の病院は自分が扱う症例について報告する義務があります
国民党の立法委員、徐少萍氏は次のようにコメントしている。「生きている人々から臓器を収奪し、販売することで利潤を得ている者は、国際刑事法の定める人道に対する犯罪者です」
民進党の立法委員であり決議案の提案者でもあった田秋堇氏は次のように述べている。「同法は臓器の密輸・販売・移植ツーリズムを明確に禁止し刑罰を規定するものです。死刑囚からの臓器の使用も禁じています。台湾の臓器移植に関する規定は国際水準に達しました」